南沙良、ミニシアターを巡るVol.17 CINEMA NEKO(前編)
「DVD&動画配信でーた」と連動した連載「彗星のごとく現れる予期せぬトキメキに自由を奪われたいっ」では、私、南沙良がミニシアターを巡り、その劇場の魅力や特徴をみなさんにお伝えします。第17回は東京の青梅市にあるCINEMA NEKOさんにお邪魔しました!
東京でただ一つの木造建築の映画館
CINEMA NEKOは、2021年6月にオープンしたばかりのミニシアター。いつもは東京23区内の映画館を訪れることが多いのですが、今回は少し遠出して、青梅市までやってきました。かつては3館も劇場があった“映画の街”である青梅。街に再び映画館を、という住民の声を受けてプロジェクトを発足し、50年ぶりに映画館を復活させました。
青梅駅からCINEMA NEKOまでは徒歩15分ほど。“映画の街”として知られるとおり、いたるところに映画看板が。名作をオマージュした、遊び心のある看板に目を奪われます。シネマネコの最寄り駅は東青梅ですが、あえてお隣の青梅駅からぶらぶら散歩しながら映画館へ向かうのも楽しいです。
CINEMA NEKOは、東京都でただ一つしかない木造建築の映画館。登録有形文化財の貴重な木造建築物をリノベーションしてつくられています。木の温もりを感じられる館内に、開放感のある天井、たっぷりと光を取り込む大きな窓など、自然の豊かさを感じられる空間が心地よいです。サスティナブルな仕組みにしたいという思いから、廃材をできるだけ出さないようにつくったとのこと。元々は戦前の建物のため電気がなく、窓を大きくして光を取り込んでいたようです。
館内のブックカフェでは映画にちなんだメニューも
入り口には『ローマの休日』(53)でお馴染みの“真実の口”が!手を入れると消毒液が出てくるんです。こちらは『ローマの休日』の上映時に、アーティストの方にお願いして作ってもらったそう。何気ない部分まで映画愛にあふれています。
館内にあるブックカフェでは、置いてある本を自由に読めたり、そのまま買うこともできます。こちらのカフェは映画を観なくても利用OK。カフェのメニューには、『花束みたいな恋をした』(21)の焼きそばパン、「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」の「あの花プレート」など、上映作品に合わせたすてきなメニューが展開されています。
次回は支配人の菊池康弘さんにお話を伺います。お楽しみに!
●CINEMA NEKO
公式サイト https://cinema-neko.com/
住所 東京都青梅市西分町3丁目123 青梅織物工業協同組合敷地内
電話 0428-84-2636
最寄駅 JR青梅線 東青梅駅
●南沙良 プロフィール
2002年6月11日生まれ、東京都出身。第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞、その後同誌専属モデルを務める。
女優としては、映画『幼な子われらに生まれ』(17)に出演し、デビュー作ながらも、報知映画賞、ブルーリボン賞・新人賞にノミネート。2018年公開の映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では映画初主演ながらも、第43回報知映画賞・新人賞、第61回ブルーリボン賞・新人賞、第33回高崎映画祭・最優秀新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞し、その演技力が業界関係者から高く評価される。2021年には、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021のニューウェーブアワードを受賞。
最近の主な出演作に『ゾッキ』(21)、『彼女』(21)、TBSドラマ「ドラゴン桜」など。現在は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演中のほか、待機作に『女子高生に殺されたい』(4月11日公開)、『この子は邪悪』(2022年公開)などがある。