復讐に燃えるヒーローの姿を映す『THE BATMAN-ザ・バットマン-』、宇宙を舞台に大統領と独裁者が衝突する『映画ドラえもん』など週末観るならこの3本!

コラム

復讐に燃えるヒーローの姿を映す『THE BATMAN-ザ・バットマン-』、宇宙を舞台に大統領と独裁者が衝突する『映画ドラえもん』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、若き日のバットマンの苦悩を描くサスペンスアクション、1985年の第6作をリメイクした「ドラえもん」シリーズ最新作、バカリズム脚本でウェディングプランナーの奮闘を描くお仕事ムービーの、ドキドキする3本!

容赦なく鉄拳制裁を加えるその姿は壮絶のひと言…『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(公開中)

自分の正義のためにヒーローとなったバットマンの姿を描く『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
自分の正義のためにヒーローとなったバットマンの姿を描く『THE BATMAN-ザ・バットマン-』[c]2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & [c] DC

夜ごと黒いマスクで素顔を隠し犯罪を追うバットマン(ロバート・パティンソン)の前に、不気味なマスクをかぶった知能犯リドラー(ポール・ダノ)が立ちはだかる。活動をはじめて2年という新生バットマンは、自ら“復讐”と名乗りゴッサム・シティの悪党に戦いを挑む。夜空に浮かぶバットシグナルを見て犯罪者たちが戦慄するのは、悪事を暴かれることよりもバットマンの“報復”への恐怖。悪党を見つけては、容赦なく鉄拳制裁を加えるその姿は壮絶のひと言だ。一方リドラーの標的は、悪と戦う政治家や検事たち。真逆な行為のように思えるが、もし犠牲者たちが正義のフリをした嘘つきだとしたらリドラーはバットマンの援軍といえるのか?今作は両親の復讐に心を奪われた青年が、苦悩しながらヒーローとヴィランの違いを模索する物語。特殊なパワーを持たない常人バットマンだからこそ、その感情の旅が共感を呼ぶ。(映画ライター・神武団四郎)

子ども向けと侮ることができない社会的メッセージ…『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』(公開中)

のび太たちは、手のひらサイズの宇宙人パピと出会い交流を重ねていく(『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』)
のび太たちは、手のひらサイズの宇宙人パピと出会い交流を重ねていく(『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』)[c]藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2021

1985年に公開された『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク。ピリカ星の大統領であり、小さな宇宙人のパピ(声:朴ろ美)を救うため、ドラえもん(声:水田わさび)たちが宇宙を舞台に奮闘する姿を描く。当初の公開予定日だった2021年にはコロナ禍で公開できず、丸1年ぶりにスクリーンにドラえもんが帰ってきたこともあり、予告も冒頭からドラえもんの帰還をアピールする形に。大まかな流れは旧作と同じだが、序盤のドラマも簡略化されスピーディになるなど現代化されている。近年のドラえもん映画は作画面でも他作品を圧倒しており、今作もキャラクター描写以外にも、宇宙戦争による爆発やミサイルの高速軌道はアニメファンも唸る出来に。大統領と独裁者の戦争というタイムリーな物語に、子ども向けと侮ることができない社会的メッセージも強く与えつつも、万人に愛される娯楽作品に仕上がっている。(映画ライター・井中カエル)


各所に埋め込まれた伏線が最後につながる展開も痛快…『ウェディング・ハイ』(公開中)

クセ者ぞろいの結婚式に悪戦苦闘するウェディングプランナーの奮闘を映した『ウェディング・ハイ』
クセ者ぞろいの結婚式に悪戦苦闘するウェディングプランナーの奮闘を映した『ウェディング・ハイ』[c] 2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

バカリズムによるオリジナル脚本を豪華キャストで映画化した、ある披露宴をめぐるドタバタ群像コメディ。敏腕ウェディングプランナー、中越(篠原涼子)に支えられ、新郎(中村倫也)新婦(関水渚)はついに結婚式当日を迎える。ところが披露宴に並々ならぬ情熱をかける出席者らが暴走し、予期せぬ暗雲がたちこめる。そんな難問を解決しようと、チーム中越が立ち上がる!ところが新婦を奪還せんとする元カレや謎の男までが現れ…。新郎新婦が狂言回しの受けに徹し、クセ者過ぎる両家の親類や出席者らが大暴れ、彼らの個性や可笑しさを引き立てる。それをグイっと束ねて引っ張るのが、篠原演じるウェディングプランナー。だから観客は大いに、各人の独壇場やどんどんカオス化していく披露宴の行方を、アハハと笑いながら堪能できる。各所に埋め込まれた伏線が最後につながる展開も痛快、さすがの脚本力。個人的には、ちょっとおバカキャラで大いに沸かせる元カレ、岩田剛典に技あり一本!監督は、『私をくいとめて』(20)などの大九明子。(映画ライター・折田千鶴子)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/サンクレイオ翼

※朴ろ美の「ろ」は「王へんに路」が正式表記

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