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『コーダ あいのうた』『ベルファスト』『ドライブ・マイ・カー』…第94回アカデミー賞授賞式に向け、前哨戦の受賞作品をおさらい

コラム

『コーダ あいのうた』『ベルファスト』『ドライブ・マイ・カー』…第94回アカデミー賞授賞式に向け、前哨戦の受賞作品をおさらい


前哨戦には大きく分けて2種類があり、12月〜1月のアカデミー賞ノミネーション投票前に行われる各地批評家賞やゴールデン・グローブ賞、そして2月8日のノミネーション発表から、3月17日〜22日の本投票までの間に行われる組合賞や英国アカデミー賞がある。今年の受賞結果は大きな隔たりがなく、特に俳優賞に関してはどの賞でも似たような結果が出ている。

【写真を見る】今年の監督賞候補作はこちら!第94回 アカデミー賞につながる各賞の結果をおさらい
【写真を見る】今年の監督賞候補作はこちら!第94回 アカデミー賞につながる各賞の結果をおさらいBAFTA/Scott Garfitt


日本代表作品として国際長編賞にノミネートされている『ドライブ・マイ・カー』、長編ドキュメンタリー賞の『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』も、ほぼ全勝状態が続いている。長編アニメーション賞は『ミッチェル家とマシンの反乱』が多少リードしているが、アカデミー賞ではアニメーション支部に属していない全会員が投票するため、『ミラベルと魔法だらけの家』にも可能性が残る。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』コディ・スミット=マクフィー
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』コディ・スミット=マクフィーBAFTA/Scott Garfitt

そして、最も予想が難しいのが作品賞だ。賞レースの序盤では『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の独走状態だったのが、SAG賞やPGA賞での受賞を受けて、現在の下馬評第1位には『コーダ あいのうた』が挙がっている。昨年までのアカデミー賞では、劇場用映画VSストリーミング映画の攻防が続いていたことから、対抗馬となるのはトロント国際映画祭観客賞、BAFTA英国映画賞受賞の『ベルファスト』と見られていた。ところが、今年は『コーダ あいのうた』のApple TV+と、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のNetflixが競うことになりそうだ。というわけで、今年の注目点は作品賞の行方と、俳優賞・国際長編映画賞など順当に受賞を積み上げてきた作品がそのままオスカーでも受賞となるか、といったところになりそう。第94回アカデミー賞授賞式は、米国ロサンゼルス現地時間3月27日に行われる。

文/平井伊都子

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