批評家が選ぶ、出演作ワーストランキング!“ロッテン”連発のブルース・ウィリスになにが起こった?
ハリウッドを代表するアクションスターといえば、トム・クルーズやキアヌ・リーヴス、ドウェイン・ジョンソンなどなど、いずれもビッグバジェットの大作映画に欠かせない俳優たちの名前が思い浮かぶだろう。少し時代を遡ればそこに、「ダイ・ハード」シリーズなど1990年代前後のハリウッド映画で大活躍したブルース・ウィリスの名前も確実に挙がってくるはずだ。
近年では日本のテレビCMで国民的人気キャラクターに扮するなどしているので、その姿をまるっきり見なくなったということはない反面、かつてのような大作映画に出ることはほとんどなくなったウィリス。実は、彼のキャリアにはある異変が起きているのだ。
フィルモグラフィをチェックしてみると、2016年ごろから出演作が急増し、2020年には4本、2021年には8本。2022年はすでに2本がアメリカでは公開されており、5本も待機作がある。そのいずれもが、かなり低予算のアクション映画やSF映画など、いわゆる“B級映画”に括られる作品ばかり。
そして毎年アカデミー賞の前日に行われる、“最低映画”を決める祭典ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)で、「Worst performance by Bruce Willis in a 2021 Movie(2021年のブルース・ウィリスの最低演技賞)」という特設部門が作られてしまう事態に発展。はたしてブルース・ウィリスになにが起きているのか。それを探るためには、彼の出演作を振り返る必要がありそうだ。
前後編の<前編>となる本稿では、ウィリスの出演映画のなかから映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家の評価が“低い”10作品を一挙に紹介していきたい。
「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。
中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。
それでは、ブルース・ウィリス出演作品の“ロッテン”10傑を挙げていこう。
0%ロッテン『レッド・ダイヤモンド』(16)
0%ロッテン『ハード・キル』(20)
0%ロッテン『アクト・オブ・バイオレンス』(18)
0%ロッテン『American Siege』(21)
0%ロッテン『コードネーム:プリンス』(14)
0%ロッテン『アウト・オブ・デス』(21)
3%ロッテン『コズミック・シン』(21)
4%ロッテン『隣のヒットマンズ 全弾発射』(04)
4%ロッテン『シャドー・チェイサー』(12)
4%ロッテン『デッド・シティ2055』(15)
(※レビュー数10未満は除外。同率作品は批評家のレビュー数が多い順)