伝説的バンドのドキュメンタリーなど沖縄本土復帰50周年企画も多数!「島ぜんぶでおーきな祭」の注目作をチェック

コラム

伝説的バンドのドキュメンタリーなど沖縄本土復帰50周年企画も多数!「島ぜんぶでおーきな祭」の注目作をチェック

映画はもちろん、音楽、お笑い、アート、ワークショップと多岐にわたるコンテンツが楽しめる総合エンタテインメントの祭典「島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭」が、4月16日(土)と17日(日)に開催される。

かつての沖縄の状況を現在の風景と比較して楽しむ人気企画「デジタルで甦る8ミリの沖縄」。今回は沖縄の本土復帰50年にまつわる映像を中心に紹介
かつての沖縄の状況を現在の風景と比較して楽しむ人気企画「デジタルで甦る8ミリの沖縄」。今回は沖縄の本土復帰50年にまつわる映像を中心に紹介[c]シネマラボ突貫小僧

今年は沖縄本土復帰50周年の節目ということで、沖縄芸能年表をベースに雑誌、レコードといったアイテムが並ぶインスタレーション「OKINAWA MEMORIES AND RECORDS ー沖縄・記憶と記録ー」や、貴重な8ミリ映像を映しながら、当時の沖縄をマニアックに解説する「デジタルで甦る8ミリの沖縄」など、歴史をひも解くような企画も用意。那覇市の桜坂劇場を中心に上映が行われる映画部門でも、沖縄をテーマにした作品が数多くラインナップされている。

そのなかでも今回は「特別招待」「特別上映」「沖縄ヒストリカルムービー」「地域発信型映画」「クリエイターズ・ファクトリー」の5部門全23プログラムから、注目作をピックアップし紹介していく。

伝説的バンドが語る激動の時代とは?「特別招待」部門には沖縄を感じられる作品がそろい踏み

【写真を見る】伝説のロックバンド、紫のドキュメンタリーから馬場ふみか主演作まで、「島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭」の注目作は?
【写真を見る】伝説のロックバンド、紫のドキュメンタリーから馬場ふみか主演作まで、「島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭」の注目作は?[c]株式会社エコーズ

これから公開を控える新作を中心とした作品が並ぶ「特別招待」部門。そのなかでも最大の目玉と言えるのが、今年の秋ごろからの全国順次公開に先立ち、本映画祭がワールドプレミアとなる『紫』。1970年に結成された沖縄の伝説的ハードロックバンド、紫に迫るドキュメンタリーで、17日の上映の際には、紫と野田孝則監督の登壇も予定されている。

70年代の音楽シーンをリードし、一度は解散したものの、2007年の再結成を経て、2020年には結成50年を迎えた紫。コロナ禍により記念ライブのキャンセルを余儀なくされるなか、新アルバムを制作し、1年越しのライブに挑む姿にカメラを向ける。さらに結成からこれまでの活動や沖縄激動の時代をメンバーが語るほか、本土デビューをその目で見ていたLOUDNESSや影山ヒロノブ、紫に影響を受けた聖飢魔IIやX JAPAN、石垣島で紫をコピーしていたBEGINら多くのミュージシャンの紫に対する想いも語られていく。

馬場ふみか主演の『てぃだ』。タイトルは沖縄の方言で「太陽」を意味する
馬場ふみか主演の『てぃだ』。タイトルは沖縄の方言で「太陽」を意味する[c]手力プロダクション

16日に上映される馬場ふみか主演作『てぃだ』も沖縄を題材とした作品。都会で愛する人に裏切られ、生きることに疲れてしまった女性が、石垣島の大自然や離島の人々の温かさに触れ、人として成長していくヒューマンドラマだ。監督を中前勇児が務め、中村静香武田航平今泉佑唯青柳翔らが共演。裏切り、憎悪、友情、別れといった様々な経験しながらも必死に生きる主人公の姿を丁寧に描いていく。上映では監督と馬場、中村がステージに上がる予定だ。

琉球王国時代から伝わる古典歌舞劇を組踊を映像化した『シネマ組踊 「孝行の巻」』
琉球王国時代から伝わる古典歌舞劇を組踊を映像化した『シネマ組踊 「孝行の巻」』[c]ステージサポート沖縄

『シネマ組踊 「孝行の巻」』(16日上映)は、約300年間にわたり受け継がれている伝統的歌舞劇「組踊」を新しい切り口で映像化するプロジェクトの一作。初日の上映の際に登壇予定の宮平貴子監督をはじめ、沖縄の映画制作を支えるスタッフが集結。組踊の様式美や立方の繊細な表情、緊迫感あふれる地謡の音楽、流麗なセリフ回しなど、魅力を余すところなく映像で捉えている。

歴史や見どころの紹介もあるため、予備知識なしでも楽しめるのはうれしい限り。なお本作で扱われる「孝行の巻」は、組踊創始者である玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)作、組踊五番の一つで、母を助けたいと願う姉弟が、村を襲う大蛇を鎮めるために生贄となることを決意する内容。別れの悲しみを描く“静”と、獰猛な大蛇が火を吹く“動”の対比に魅了されることだろう。

中国製作映画『ワンダフル旅行社』には中西悠綺がメインキャストに名を連ねている
中国製作映画『ワンダフル旅行社』には中西悠綺がメインキャストに名を連ねている[c]Hualu Media. [c]Sichuan Jiayang


『ワンダフル旅行社』(17日上映)は、『シュナイダー』(08)や『あの娘、早くババアになればいいのに』(13)などで知られる頃安祐良監督が手掛けた中国映画。都会での生活をあきらめ帰郷した大学院生の青年が、自分の研究を役立てながら父の事業を手伝い、不和だった父と和解していく様子が綴られる。中国を中心に活躍する日本人女優の中西悠綺も研究に力を貸す日本人女子大生役でメインキャストに名を連ねているので注目したい。

■島ぜんぶでおーきな祭 第14回沖縄国際映画祭
日程:4月16日(土)~17日(日)
場所:那覇市国際通り周辺、桜坂劇場、琉球新報ホール、那覇市民ギャラリー、よしもと沖縄花月、首里観音堂、イオンモール沖縄ライカムほか
※オンラインでお楽しみいただけるコンテンツも準備中!
URL:http://www.oimf.jp/
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