赤楚衛二&町田啓太が歩んだ、俳優としての道のりと『チェリまほ THE MOVIE』に至る“軌跡”
幸せオーラ全開の撮影現場、二人が込めた想いを明かす
その「SUPER RICH」が放送されていた昨年11月下旬、「チェリまほ」の映画化が発表に。製作決定時に赤楚は、「(ドラマ版の撮影時から)続編あったらやりたいと話していたのですが、ついに叶いました。この作品は丁寧な心情描写のなかにある一歩踏みだす勇気、人を想う気持ちの大切さを学ばせてもらえた僕の宝物」とコメント。町田も「『チェリまほ』は僕の人生にとって大切な心持ちをたくさん教えてくれた作品」と思い入れの強さを語っていた。
二人にとってそれだけ特別な作品であることは、撮影現場の様子からも見てとれる。ドラマ版のキャスト・スタッフが再集結した撮影初日、赤楚は最初に撮影するエレベーターでのシーンを撮り終えると「エレベーターを見てここが居場所だと感じた。安達になれた。戻ってこられた」と感慨深げ。約2週間にわたる撮影期間中には1年以上のブランクを感じさせないチームワークの良さを見せつけると共に、安達として、黒沢としての成長ぶりも体現。
一足先にクランクアップを迎えた町田は「優しい空気のなかで撮影ができたのは赤楚くんがいたから。長かったのか短かったのかわからないけれど、深い時間をありがとう」と赤楚に声をかけ、二人はハグを交わしていた。そして最終日に一人きりのシーンでクランクアップを迎えた赤楚は、時折スタッフと談笑をしながらも名残惜しそうな様子。ラストカットを撮り終えると目に涙を浮かべながら「この経験、思い出はこれからも宝物です」と語り、さらに強くなった「チェリまほ」への思いをこらえきれずにいた。
「チェリまほ」で得た、“かけがえのない宝物”
3月に行われた完成直前イベントでは「いまだに夢見心地な感覚。楽しい思い出しか残っていない。楽しい日々でしかなかった」と述懐した赤楚。町田も「またここから始まりそうな感じがしていてすごくワクワクしています」と興奮気味に語っていた。その後も公開前のインタビューでは声をそろえて「チェリまほ」がかけがえのない宝物になっていたことを語り、公開記念舞台挨拶の際には2人揃って感無量の表情を見せ、初めて直接対面する「チェリまほ」ファンに熱い感謝を伝える一幕も。
この劇場版では、テレビドラマ版の“その後”の物語が描かれていく。順調で幸せな日々を送っていた安達と黒沢だったが、ある日突然、安達に1200キロも離れた長崎への転勤の話が舞い込んでくる。キャリアアップのチャンスには喜びつつも、黒沢と離れ離れになってしまうことに戸惑い躊躇してしまう安達。そして転勤話をめぐって、互いを想い合うがゆえにすれ違ってしまう2人は、やがて遠距離恋愛になったことをきっかけに未来について考え始めるようになるのだ。
インタビューで「『チェリまほ』での経験があるからこそ、これからも頑張れる気がしています」(赤楚)、「今後の人生を歩むうえでも、仕事をしていくうえでも自分の基盤になっていくもの」(町田)とそれぞれ語っていた2人。
安達と黒沢にどんな未来が待ち受けているのか。劇場でその心打たれる物語を味わえば、二度目の“チェリまほロス”になるかもしれないが、俳優として成長を続ける赤楚と町田の姿は、きっと今後もファンの心に“かけがえのない宝物”を残してくれることだろう。
文/久保田 和馬