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【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第2回 “モテ”について考えて気づいたこと

コラム

【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第2回 “モテ”について考えて気づいたこと

みゆきは俺の事が絶対に好きだと相手に勘違いさせる天才

撮影/SAEKA SHIMADA ヘアメイク/上野知香

一番最初に思い浮かんだのはやはり、モテといえばな映画『モテキ』(11)の松尾みゆき(長澤まさみ)だ。墨さん(リリー・フランキー)ではなく、絶対的に松尾みゆきである。そんな松尾みゆきに恋したのはニュースサイト、ナタリーのライター藤本幸世(森山未來)。31独身男性にしてセカンド童貞だ。冴えない自分や、童貞であることを卑下する毎日を送っていた。が、雑誌編集者の松尾みゆきとの出会いから、色んなタイプの美女とのつながりができ、「これはモテ期」と鼻息荒くする幸世。だがそう上手くはいかない。そんな幸世の愛は成就するのかというお話なのだ。

何故松尾みゆきがモテるのか。きれい系の美人だが幸世のサブカルトークにも見事に打ち返してくるギャップ、気さくで相手を好きにさせる天才、と共にこの子は俺の事が絶対に好きだと相手に勘違いさせる天才でもある。幸世は「こんな子と付き合えたら楽しいだろうな」と夢見てしまうのだ。"ビッチ"と大根仁監督は表現していた反面、原作者の久保ミツロウ氏は「女の子の自信のなさをみゆきの中に描いている」と言っていた。それはある意味幸世を勘違いさせた“隙”」というものであろう。

『モテキ』Blu-ray&DVD発売中 発売:テレビ東京・電通 販売:東宝
『モテキ』Blu-ray&DVD発売中 発売:テレビ東京・電通 販売:東宝[c]2011映画「モテキ」製作委員会

ユリの色気は“どうしても憎めない”クズの色気

その次が『人のセックスを笑うな』(07)のユリ(永作博美)である。主人公である19歳の美大生みるめ(松山ケンイチ)が、39歳の大学の非常勤講師ユリに恋し、その恋は叶ったと思われたが、実はユリは結婚していた。この映画にはちゃんとサブタイトル「Don't laugh at my romance.」(僕の恋を笑うな)がある。柔らかく、切ない。小っ恥ずかしいラブストーリーである。

このユリという女、きっとこの先何があってもモテ続けていくのだろうと私は思う。疲れたような気怠げな表情や仕草。ルーズで無邪気、そして大胆。ユリは人を“沼らせる”天才だ。「この人に好きになってもらいたい」とみるめはどんどん沼にハマってしまう。

20歳も歳の離れたみるめを沼に落とすユリ
20歳も歳の離れたみるめを沼に落とすユリ[c]2008「人のセックスを笑うな」製作委員会

みるめのことを「だって触りたかったんだもん」と言ってしまうユリの子供っぽさ、悪びれない真っ直ぐな性欲、これが沼だ。そりゃ39歳なのだから色気があっても不思議ではない。だがユリの色気は"妙な色気"なのだ。この映画を観るまで色気なんてものはどうせ「ボンキュッボンのエロエロのエロだろう」と思っていた私の概念がぶっ壊された。ユリの色気はクズの色気である。


ユリもそうだが、世間で言われる「クズ」がモテるというケースはおおいにある。"どうしても憎めない"という条件付きで。

『人のセックスを笑うな』Blu-ray&DVD発売中 発売:ハピネットファントム・スタジオ 販売:ハピネット・メディアマーケティング
『人のセックスを笑うな』Blu-ray&DVD発売中 発売:ハピネットファントム・スタジオ 販売:ハピネット・メディアマーケティング[c]2008「人のセックスを笑うな」製作委員会
■MINAMO プロフィール
京都府出身。2021年6月にSOFT ON DEMANDよりAV女優としてデビュー。趣味は映画&レコード鑑賞、読書。
YouTubeにて「MINAMOジャンクション」を配信中。
Twitter:@M_I_N_A_M_O_
Instaglam:minamo_j


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