中井貴一&立川志の輔が語る、勘違いと偶然の出会いから歩み始めた『大河への道』|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
中井貴一&立川志の輔が語る、勘違いと偶然の出会いから歩み始めた『大河への道』

インタビュー

中井貴一&立川志の輔が語る、勘違いと偶然の出会いから歩み始めた『大河への道』

中井貴一が主演、松山ケンイチ、北川景子が共演し、一人二役を演じる映画『大河への道』 (公開中)。現代と200年前の江戸時代を舞台に、日本で最初の実測地図を作った伊能忠敬を主役にした大河ドラマ制作プロジェクトの行方と、日本地図完成に隠された秘密を描く物語だ。

【写真を見る】史上初の日本地図を完成させたのは、 あの伊能忠敬ではなかった?!
【写真を見る】史上初の日本地図を完成させたのは、 あの伊能忠敬ではなかった?![c]2022「大河への道」フィルムパートナーズ

原作となった立川志の輔の新作落語に惚れ込んだ中井自ら、志の輔に映画化を直談判したという。その誕生経緯だけでも1本の落語ができそうなおもしろ制作裏話について、原作の志の輔と主演の中井に熱く語ってもらった。

「『映画にしたいほどおもしろい』というのも中井さん流の褒め言葉かな」(志の輔)

――中井さんが映画化を直談判するほど感動した志の輔師匠の原作。劇中に登場する脚本家の加藤浩造(橋爪功)のように、鳥肌が立つような感覚があったのでしょうか?

中井「本作は志の輔師匠が、たまたま立ち寄った伊能忠敬記念館で彼のすばらしさを知り、この落語をお作りになりました。そして僕は、志の輔の新作落語4作を組み合わせた舞台『メルシー!おもてなし~志の輔らくごMIX~』で主演を務め、改めて師匠のすごさを知るわけです。そんな経緯があるなかで、舞台公演時に知人から師匠の落語『大河への道-伊能忠敬物語-』をすすめられまして。タイトルを聞いた時は、てっきり中国を舞台に1人の日本人が、黄河や長江といった大河を目指し旅をする…という壮大な物語かと思っていました。

劇中での中井&志の輔の共演シーン
劇中での中井&志の輔の共演シーン[c]2022「大河への道」フィルムパートナーズ

次の公演予定を尋ねたところ、しばらくやる予定はないという答えが返ってきたので、『壮大な話だからそう簡単にやれるものじゃないんだ…』と、僕の中で作品のスケールがどんどん大きくなっていって(笑)。その後資料用のDVDをお貸しいただき、拝見したら、“え?ドラマの大河?”となるわけです。一番感動したのはそこですね(笑)」

志の輔「公演の機会がなかったものですから、もしご覧になりたいならとDVDをお渡ししました。でも落語は生で観ていただくのが一番ですし、たとえDVDを渡してもご覧にならないだろうな、という思いもありました(笑)。ところが、中井さんから『おもしろかった』という感想のお電話をいただき、そのうえで映画にしたいとまでおっしゃるじゃないですか。まあでも 『映画にしたいほどおもしろい』というのも中井さん流の褒め言葉かな、くらいに受け止めていたんです。


伊能の弟子たちによる一世一代の隠密作戦とは
伊能の弟子たちによる一世一代の隠密作戦とは[c]2022「大河への道」フィルムパートナーズ

ところが、よくよく話を聞くと本気だということがわかり…。そりゃもう『やめたほうがいいよ』って言いますよね(笑)。落語だからアバウトな部分も多いですし、結果的に伊能忠敬が出てこない話ですよ?映画を作るなら時代考証も大変ですし、最初は無理ですってお伝えしました」

中井「それについては制作サイドには専門家もしっかりつけるので、安心してくださいと申し上げました」

志の輔「そこで本当に本気なんだと理解し、どうぞ好きにしてくださいって。伊能忠敬という偉人を、自分自身がろくに知らなかったことにショックを受けて作った落語が、中井さんに届き映画となり、映画を観た人たちが伊能忠敬を知ることになる。映画に字幕がつけば、世界中に広がる可能性だってあります。僕は外国語が話せないので、落語だけではこの可能性も生まれなかったわけですから、本当に円盤をお渡ししてよかったと安堵しているところです」

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