韓国BLドラマ「セマンティックエラー」で大注目のパク・ジェチャンにインタビュー!演技への情熱語る
「お気に入りは、絆創膏を貼ってあげるシーン」
――BLをテーマにしていますが、演じるうえで難しかったこと、大変だったことを教えてください。
「実際には、それほど難しいと思った部分はありませんでした。実生活において、僕自身が同性を好きになった経験がないので、その点が一番悩んだと思います」
――撮影の順番がストーリーの時系列と同じではなかったそうですが、苦労した点はありますか?
「おっしゃるとおり、エンディングの部分を序盤に撮影しました。撮影の順番がバラバラだったことで、ケンカをしたと思ったら仲良くなったり、またケンカしたりするので、感情表現が難しかったです。ただ、休憩の合間に呼吸を合わせたり、練習をしたりと準備を重ねていたので大きなトラブルはなかったと思います」
――第2話でサンウが居眠りをしていた間に、ジェヨンから顔に落書きされてしまい、それを化粧室で洗い流すシーンがありますね。ジェチャンさんはこのシーンについて監督に撮り直しをお願いしたそうですが、それはどうしてでしょうか。
「あのシーンで、サンウは顔に落書きをされてすごく怒っていたんですね。その表情について『こういう感じで怒りを表現しよう』と自分なりにいろいろ研究したり工夫したんですが、思ったような演技ができていなかったんです。もう少し表現をうまくしたいと監督と相談しまして、撮り直しをお願いしました」
――パク・ソハムさんいわく、そのジェヨンが居眠りするサンウの顔を見つめるシーンは、“ジェヨンがサンウに惚れた瞬間”だそうです。ではサンウがジェヨンを好きになった瞬間はいつだと思いますか?
「(第3話で)サンウが先輩に連れられて飲み会に来るシーンで、ちょっとした争いが起きます。サンウに危機が迫った時にジェヨンが現れて、救ってくれるんです。その時から、ジェヨンに対する好意が芽生え始めたんじゃないかなと思います」
――ジェチャンさんがお気に入りのシーンを教えてください。
「(第3話の)サンウを救ったジェヨンが腕に怪我をしたので、絆創膏を貼ってあげるシーンです。ビジュアル的にもとてもキレイに撮れていますし、セリフもステキなんですよね」
「あるジャンルの記念碑的な作品に参加できたことを、とても光栄に思っています」
――日本でもとても注目されている「セマンティックエラー」ですが、この作品ならでは魅力はなんだと思いますか?
「BLというジャンルは、どちらかというと少しアプローチしにくい作品だと思うのですが、『セマンティックエラー』は導入部でも観ておわかりいただけるように、すごく初々しいキャンパスライフを描いたような作品になっています。そういう入りやすさが魅力のポイントとなっていると思います」
――最初はケンカばかりだった2人の関係性が変わっていくにつれ、変化していくサンウの表情がとてもすばらしかったです。本作でサンウを演じて役者として得たもの、学んだものがあれば教えてください。
「サンウ役を演じるにあたって、表情の勉強をたくさんしたので、表情のスキルを身につけることができたんじゃないかなと思います。それから、このドラマが本当にたくさんの方に愛していただけたので、僕自身が少し自信を取り戻すことができたとも思っています」
――このドラマに出演するにあたって、DKZのメンバーからはどんな反応がありましたか?ドラマを観た感想などもお聞きになったのでしょうか。
「BLものだからといってメンバーからは心配の声もなくて、むしろ積極的に応援してくれました。放送が始まってからもメンバーと一緒に鑑賞して、作品を楽しみました!」
――WATCHAで爆発的な人気を獲得し、地上波でも紹介されるなど韓国におけるBLというジャンルに大きな影響と変化を与えた作品になったと思います。こういったムーブメントについてはどう感じられたのでしょうか。
「一つのジャンルの記念碑的な作品に自分が参加できたことを、俳優としてとても光栄に思っています。これからも様々な役柄で、いろいろな面を皆さんに見せたいと思っています」
――今後演じてみたい役柄や、共演してみたい俳優の方がいらしたら教えてください。
「まだまだ演技に関しては新人のつもりなので、どんな役柄でも、提案していただけるようならぜひとも挑戦していきたいです!あえて希望を出させていただくとしたら…悪役をぜひ演じてみたいです(笑)。また最近は、イ・ジョンジェさんと映画で共演できたらなと思っています」
取材・文/荒井南