マルチバースに飲み込まれる…全編IMAX画角の『ドクター・ストレンジMoM』こそ“IMAX推し”
アベンジャーズのなかでも異彩を放つ、最強の魔術師ドクター・ストレンジ。彼の新たな戦いを描くファンタジック・アクション超大作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が5月4日(水・祝)に公開となる。ピーター・パーカーの懇願を断り切れず、パラレルワールド“マルチバース”の扉を開けたことから壮大な事件が巻き起こる本作は、『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』(公開中)のその後を描いた物語。無数に存在する並行世界がつながる壮大な世界観は、臨場感あふれるIMAXで味わうには最適といえる。本コラムでは、IMAXだからこそより楽しめる本作の見どころを紹介していく。
上から目線…しかし憎めない!ドクター・ストレンジが愛される理由とは?
まずは、これまでのドクター・ストレンジの活躍を振り返っていこう。ドクター・ストレンジことスティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、魔術を操るヒーロー。かつて天才外科医として多くの命を救ってきたが、交通事故で両腕の自由を失い、外科医としての生命を絶たれてしまう。その後治療のため、カトマンズの修場カマー・タージで厳しい修行を受けたストレンジは魔術を会得。“闇の勢力”との戦いを経て、その力で人類を守ることを決意する。
つねに沈着冷静、知性やユーモアもそなえたドクター・ストレンジは完璧なヒーローに思えるが、その性格は放漫そのもの。皮肉屋で、つねに上から目線で相手に接する鼻持ちならない一面を持っている。そんなマイナスポイントながら人間的な人物像が、凛としたなかに温情をにじませるカンバーバッチの熱演と相まって、ドクター・ストレンジを愛すべきヒーローに仕立てている。もうひとつ彼がユニークなのはその相棒で、愛用している意思を持つ“浮遊マント”がそれ。かけ出し魔術師時代からドクター・ストレンジを導き、何度も危機を救ってきた友でメンターでもあるマントの活躍にも注目したい。
魔術を操るドクター・ストレンジの戦いは、パワーや武器を使ったストレートなものではなく、超自然のパワーを駆使したスピリチュアル系。両手のひらで絵を描くようにエネルギーを引き出すエルドリッチ・ライトや、空間に丸い穴を開ける瞬間移動など多彩な術で敵に挑む。第1作『ドクター・ストレンジ』(16)でも魔術によってビルや地面が湾曲したり、時間が逆に進むなか戦いを繰り広げたりと、“物理の法則”から解き放たれた驚異の映像が見どころだった。事実、第1作の撮影でもIMAXフォーマットが併用され、完成した映画の半分にあたる1時間もの映像がIMAXによるものであり、まさしくIMAX映えの1本だったといえるだろう。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)ではアベンジャーズと手を組んで、魔術を駆使したトリッキーな頭脳プレーでサノスを翻弄。続く『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)では、津波を竜巻のように巻き上げ仲間を救う大技も見せつけた。“観る”より“体感”と呼ぶほうがしっくりくるイマジネーション豊かなドクター・ストレンジの活躍はIMAXと親和性が高いのだ。
IMAX認証カメラで撮影!「ドクター・ストレンジ」だからこその“未知なる映像体験”
『スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム』で、人々の記憶からピーター・パーカーを消す呪文を唱えてしまったドクター・ストレンジ。それにより時空が歪んだことから、無数に存在するパラレルワールドへの扉が開いてしまう。最新作では、交わることがなかった無数の世界がつながった結果、別の世界から最凶の魔術を操る敵が出現。スカーレット・ウィッチことワンダ(エリザベス・オルセン)に協力を求め事態の収拾に乗り出したドクター・ストレンジの前に現れたのは、第3の目を持つもう一人の自分だった…。
巨大モンスターや“邪悪な自分”をはじめ、並行する世界から次々に現れる未知の敵にドクター・ストレンジはどう戦いを挑むのか。次元を行き来していく驚異の世界は『ドクター・ストレンジ』の真骨頂!あらゆる常識や約束ごとから解き放たれた映像世界に浸りきるには、臨場感あふれる映像と音が味わえるIMAXシアターがおすすめだ。
本作の撮影はIMAX認証カメラで行われ、IMAXシアターでは縦の長さが広いアスペクト比1.90:1で上映。通常の2.39:1と比較すると、最大26%もの大きい映像を楽しむことができる。スペクタクルシーンのみに使われた第1作と違い、今作は全編ラージフォーマットの高精細なだけでなく、上下のトリミングがない作り手の意図したとおりの映像が100%味わえるのだ。まさに、撮影から仕上げまで一貫してIMAXフォーマットにこだわった作品に名付けられる「Filmed For IMAX」ブランドにふさわしい作品に仕上がっている。