教科書ではわからない!日本地図の完成秘話が詰まった『大河への道』、笑いと感動の試写会レビュー
立川志の輔の新作落語「大河への道―伊能忠敬物語―」を原作に、伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」完成の裏側に迫っていく娯楽時代劇『大河への道』が、5月20日(金)に公開。ひょんなことから地域振興のために伊能忠敬の大河ドラマ作りに挑む市役所職員の奮闘と、伊能の地図作りの裏に隠された真相が紡がれる。映画の公開よりひと足先に、MOVIE WALKER PRESSで試写会を実施したところ、
「時代劇と聞いて難しいのではないかと思っていたが、笑いどころが多く、キャストの方々の演技もすばらしく、見ごたえがあった」(10代・女性)
「想いを受け継ぎ自らの糧とする、これこそが史実を知る最大の意味だと感じました」(20代・男性)
など心を動かされたという感想が数多く届いたので、コメントを紹介しながら作品の見どころについてひも解いていきたい。
歴史の知られざる一面を再発見する喜びがある!
千葉県香取市役所で働く池本(中井貴一)は、ある日、観光振興会議で観光課長の小林(北川景子)から意見を求められ、とっさに大河ドラマ作りを提案。するとその案が通り、発案者の池本はプロジェクトのリーダーに任命されてしまう。調子の良い部下、木下(松山ケンイチ)とともに老脚本家の加藤(橋爪功)を訪ね、なんとかあらすじの作成を引き受けてもらうが、伊能について調べた加藤から「忠敬は地図を完成させていなかったから、大河ドラマにはできない」という衝撃の事実を告げられる。
そして物語の舞台は江戸時代へ。地図の完成を見ることなく伊能忠敬が亡くなったその日、測量隊の面々は悲しみに暮れながらも、莫大な予算がかかる地図作りが打ち切られるのではと心配していた。そこで幕府の高橋景保(中井貴一/2役)に頭を下げ、伊能の死を隠蔽しながらの地図作りを承認してもらう。伊能がさも生きているかのように偽装しながら作業を続けるが、途中様々なトラブルに見舞われていくことに…。
「おんな城主 直虎」の森下佳子が脚本を手掛けた本作は、「現代と江戸を行き来する演出が楽しかった」(30代・女性)とあるように、大河ドラマ作りに奔走する現代パートと地図作りにまつわる時代劇パートの二部構成で進んでいく。
地図作りの地道な作業を丁寧に説明しながら描くことで、この偉業がどれだけ途方のないことだったのか、その重みをしっかりと感じることができ、
「自分たちのいまの豊かな暮らしが昔の人の様々な苦労や努力の上に出来上がったものだと改めて感じられる」(20代・女性)
「教科書ではわからない歴史的事実がひも解かれるところは時代劇ならでは」(60代・男性)
「この映画を通して、日本地図に隠された秘密を多くの人に知ってもらえたらいいなと思いました」(20代・女性)
など歴史の裏側を再発見するおもしろさや喜びを覚えたよう。小学校教員の男性からは「『歴史は覚えるものではなく、旅するもの』であると、子どもたちにも本作を宣伝しようと思いました」との声も寄せられた。
また、「日本の美しさ、すばらしさを再確認できる。もう一度歴史を勉強しようと思った」(30代・女性)、「みんなで力を合わせて物事を成し遂げるという、昔ながらの日本人の魂を感じられ、いまの日本に大切なことを教えてもらいました」(60代・女性)など、古き良き日本の美徳を感じたという声も寄せられていた。