教科書ではわからない!日本地図の完成秘話が詰まった『大河への道』、笑いと感動の試写会レビュー
笑いと感動を通して伝わる、奮闘する人々の思い
落語が原作ということもあり、随所に笑いの要素が差し込まれている本作。「随所にコミカルなシーンがあり、笑ってしまいました。時代劇というよりも娯楽映画として楽しめた」(40代・女性)、「現代のコメディ部分と、江戸で地図作りをしている真面目なシーンとのギャップがおもしろかった」(30代・女性)など、試写会でも随所で笑いが漏れていたように、クスッと笑えて誰でも見やすいところも魅力の一つだ。
特に、中井演じる真面目でお堅い池本と、松山演じるお調子者だがどこか憎めない木下。真逆な2人の掛け合いは絶妙で、北川も「脚本の段階で想像するだけで、何度も吹き出した」とか。観客からも以下のような感想も寄せられていた。
「中井さんと松山さんが演じる上司と部下の掛け合いがとにかくおもしろかった!」(30代・女性)
「松山ケンイチさんの飄々としたキャラクターやボケるシーンが最高でした」(40代・男性)
このように現代パートはコメディ色が強い一方で、時代劇パートのベースはシリアス。伊能が亡くなっている事実を隠しながら地図作りに励む測量隊員たちは、嘘をついたことで処刑されるかもしれないという命懸けの状況。それでも伊能の意思を継いで地図を完成させようとする人々の想い、そしてその思いに突き動かされていく景保の姿が描かれていく。
「一つのものを作り上げていくことはいつの時代でも感動します」(50代・女性)
「松山ケンイチさん演じる木下が最初は伊能忠敬をバカにしていたのに、彼の背景を知って涙するシーンにグッときました」(40代・男性)
「中井貴一さん演じる池本が、脚本家の先生に何度断られても頼みに行く、諦めない姿勢に感動しました」(40代・女性)
「日本地図があんなに美しいと思ったのは初めてでした」(30代・女性)
特にラストについては感動の声が非常に多く、涙なしには見られないシーンとなっている。
歴史的偉業の秘話を、時に笑わせ、時に泣かせながら描いた映画『大河への道』。地図完成の裏側にいた人々の奮闘を、この作品を通してぜひ知ってほしい。
構成・文/サンクレイオ翼