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北川景子が映画『ラーゲリより愛を込めて』で二宮和也の妻役に!二宮との初共演の感想は?

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北川景子が映画『ラーゲリより愛を込めて』で二宮和也の妻役に!二宮との初共演の感想は?

<キャストコメント>

北川景子(山本モジミ役)

「この作品は、沢山の愛の物語です。脚本を読み、終戦後10年が過ぎてもダモイ(帰国)への希望を捨てなかった男たちの、故国への、妻への、子どもへの、母への、それぞれの想いに胸が締め付けられました。どのような厳しい状況に置かれても、明るく、前向きに、諦めないこと、生きる希望を捨てないこと。それはとても難しいことだと思います。山本幡男さんは、温かく、優しく、強い人だと思います。幡男さんの言葉の一つ一つは、現代の社会で生きる私たちにも必要な教えばかりでした。幡男さんから生きる希望をもらった仲間たちの、幡男さんへの熱い想い、妻モジミさんの夫を信じ続ける強い気持ち、愛にあふれた温かい物語です。

モジミさんは子ども4人を抱えながらも、希望を決して捨てず、『必ず帰る』という幡男さんの言葉を信じ夫の帰りを待ち続けました。子どもが4人もいる戦後の生活は決して楽ではなかったと思いますが、持ち前の明るさと大らかさで、教員の仕事もこなし、家事(苦手だったようですが)も義母の助けを得ながら一生懸命にやられていたそうです。なんて前向きで、強い人なのだろう、私も同じ状況で同じようにポジティブに考えられるだろうか?家庭と仕事の両立で切羽詰まっていた私には目から鱗の明るさでした。モジミさんは海に囲まれた場所で育ち、戦後も隠岐島で過ごしたそうです。美しい海が広がり、風が通る場所で育ったから、モジミさんも開けた大きな心を持っていたのかもしれません。
一歩外に出れば、どこまでも続く広い海で、この海も、空も、ラーゲリにつながっているだろうか、あの人もまた同じ海を、空を、見ているだろうかと、想いを馳せながら過ごした日々だったのではないかと思いながら演じました。二宮さんとは初の共演でしたが、お会いした日からもう幡男さんでした。ああ、モジミさんはこの人を愛したのだなと、二宮さんを見て理解しました。そういう意味では役作りには苦労しませんでした。

私はところどころの出演でしたし日本で帰国を待つ側でしたので、子どもたちとの楽しい家庭での何気ないシーンや、幡男さんとの若かりし頃の幸せなシーンなどがあって楽しい撮影でした。瀬々監督と初めてご一緒しましたが、作品作りに妥協のないストイックさと、冗談を言って組を笑わせてくださるお茶目なところ、私は先にアップしてしまったのですがもう少し見ていたかったです。そしてなにより、主演の二宮さんと、二宮さんの周りの男性陣がとんでもなく魂を燃やして、命を削って演じられている姿を早く皆様に見ていただきたいです。憂うことの多い昨今だからこそ、必要な作品だと感じます。真っ直ぐな人間の愛に包まれ、癒され、温かい気持ちになっていただけると思います。一人でも多くの方にこの作品が届く事を願っています」


●瀬々敬久(監督)

「山本幡男さんの長男、顕一さんから伺ったモジミさんの逸話はどれも人間味あふれるものでした。小学校の先生だったが音楽と図工は苦手だった。家では料理が不得手でどこかドジ。それでも気丈に家族を守り続けた。一度だけ子どもたちに涙を見せた。畳の上をのたうち回るようにして泣いた。北川景子さんは、そんなモジミ像をとてもチャーミングに演じてくれました。それはかつての良妻賢母のイメージだけではなく、いまを生きる女性像に通じる姿だと思います」

●平野隆(プロデューサー)

「北川景子さんがクランクアップした時、彼女がこの役を引き受けてくれたことに心から感謝しました。そして、もし彼女でなかったらと想像し身震いしました。私は北川さんと多くの映画をご一緒させていただいていたので、彼女の気高い力強さがこの映画の裏動線を支えてくれると確信していました。
山本幡男さんはモジミさんに『君はこの十年間よく辛抱して闘いつづけてきた。超人的な仕事だ』という言葉を送っています。まさにこの映画のラストで北川さんは超人的な仕事をしてくれたと思います」

文/山崎伸子

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