「オビ=ワン・ケノービ」3話は中だるみゼロの怒涛の展開! ダース・ベイダーとの直接対決で物語が核心に迫っていく
ディズニープラスで独占配信中の「オビ=ワン・ケノービ」。「スター・ウォーズ」ファンの間でも話題沸騰中のドラマシリーズを、MOVIE WALKER PRESSでは、映画メディアの編集長たちによるリレーレビュー連載で毎週追っていきます。3話のレビューは「月刊シネコンウォーカー」編集長の佐藤英樹がお届けします。
3話はとにもかくにも御大、ベイダー卿ご登場の巻、と言いたい。冒頭からアナキンがダース・ベイダーに変身していく美しいビジュアル。眼福です。メットとマスクを接続した時の「キューン」という空気音。ありがたや。そしてあの呼吸音を久しぶりに堪能。「コー、プヒュー」。世界で最も有名な息遣い、「コー、プヒュー」。これだけでも旧三部作好きはシビレる。そして実は予想以上に早い回でのご登場もうれしい。つまり旧三部作レベルでベイダー卿が見られるということで、この時点で当然「オビ=ワン・ケノービ」は「スター・ウォーズ」シリーズのなかでも名作と呼ばれることが確定です。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
無力なジェダイの逃亡劇…フォースと共にあらんことを!
さて、主役であるオビ=ワンはというと、レイアと共に鉱山の星、マプーゾで逃亡中。ヒリヒリとした逃走劇が展開される。というのも、初回、2話を観た方は御存知のとおり、かつての大ジェダイ・マスター・オビ=ワンが「もしかしてフォースをほとんど使えなくなっちゃったの?」と思われるくらい強くない。もちろん身バレを恐れて使ってないのだが、それにしても昔のオビ=ワンなら全然余裕でしょう、と思われる状況でも観てる側としてはまったく安心できない!このあたりの窮地の脱し方は「スター・ウォーズ」シリーズを観てなくても十分楽しめるはず。だだっ広い荒野を歩いているオビ=ワンとレイアの前に、たまたま通りかかったトラックの運転手(イソギンチャクみたいに触手がぷちゅぷちゅ動く鼻に目がクギ付けになる)の荷台に乗せてもらうと、2人を捜索中のストームトルーパー数人も乗ってきて…など、禍福は糾える縄のごとし、予想もつかない展開にハラハラせずにはいられない。
オビ=ワンには弟がいた…!?知られざる過去に驚愕
とはいえ、さすがといえるファンサービスも随所に散りばめられている。スターファイターやインペリアル・シャトルのチラ見せもさることながら、オビ=ワンが珍しく子どものころの話をする場面があり、まさかの弟がいたことが発覚。なるほど、会えない弟がいたこともあり、「弟と思っていた!愛していたのに!」のあのセリフが出たのか、とオビ=ワンの胸中を察せずにはいられない。個人的には「スター・ウォーズ」らしい日本由来のモチーフを見つけるのも楽しい(フィフス・ブラザーの頭が三度笠、帝国軍の旗が“のぼり”だったり)。また、アニメシリーズ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」にも登場する銀河共和国末期に活躍したジェダイ・マスターで、オビ=ワンと共に任務についたこともあるクインラン・ヴォスについて触れる、「クインランも来たのか?」といったセリフなど、壮大な「スター・ウォーズ」の世界への呼び水もそこかしこに配置されているのも心ニクい。