アニメ「SPY×FAMILY」第1クールを総復習!“仮初めまみれの日常”で家族になっていく物語
2022年4~6月にかけて第1クールが放送されると、“スパイもの”に“ホームドラマ”の要素を絡めた新鮮な作風で瞬く間に大きな話題を呼んだテレビアニメ「SPY×FAMILY」。“FAMILY”と付いている通り、縁もゆかりもなかった3人がそれぞれの思惑から疑似家族を作り、思わず「クスッ」とさせられる軽妙なかけ合い、どこか心温まるストーリーでも視聴者を楽しませてくれた。いよいよ10月1日(土)に迫った第2クールの放送開始を前に、改めて本作の魅力を振り返ってみたい。
西国(ウェスタリス)の凄腕スパイ〈黄昏(たそがれ)〉(声:江口拓也)は、東西平和を脅かす危険人物である東国(オスタニア)の要人、デズモンドの動向を探る任務を課せられる。その名も、「オペレーション〈梟(ストリクス)〉」。精神科医ロイド・フォージャーに扮した彼は、デズモンドの息子と同じ学校(イーデン校)に子どもを通わせて標的の参加する懇親会へ潜入するため、超能力少女のアーニャ(声:種崎敦美)、殺し屋のヨル(声:早見沙織)と、お互いの裏の顔を知らないまま偽装家族を作る。最初は任務のためと割り切っていたロイドだったが、時間を重ねるうちに、いつしか3人の間には不思議な絆が芽生え始める。
任務達成のため、子育てに奮闘することになるロイド
「スパイにとって子どもなんてお荷物だ」と思っていたロイド。「任務が終われば孤児院に戻す。ただそれだけの関係」と。情報屋であり協力者であるフランキー・フランクリン(声:吉野裕行)からも、「いらぬ情を抱くとろくなことにならない」と釘を刺された。しかし、アーニャは目を離すとすぐどこかに行ってしまうし、買い物の途中で眠ってしまうなど実に世話が焼ける子どもだ。そこで育児書を読みあさり、子育てについて学んでいくロイド。第1話の最後では、イーデン校の筆記試験を突破したアーニャを抱きかかえて喜んでいたが、はたして、この“喜び”は任務達成への最初の関門をクリアしたことに対する安堵感だけだったのだろうか?
回を追うごとに3人の関係性の変化が描かれ、第4話では面接官から家族を侮辱され、ロイドは感情を抑えきれず激昂してしまう。第5話では、アーニャから試験の合格祝いに“おしろでたすけられごっこ”をねだられ、組織をあげてそれに応えた。打ち上げ花火を見ながら肩を寄せ合う、ロイドとアーニャの後ろ姿は偽装家族だけではないなにかを感じさせた。