“オーダー66”の悲劇は続いていた?心通わせるオビ=ワン&アナキンの姿も…ネタバレありで「オビ=ワン・ケノービ」第5話をレビュー!
ディズニープラスで独占配信中の「オビ=ワン・ケノービ」。「スター・ウォーズ」ファンの間でも話題沸騰中のドラマシリーズを、MOVIE WALKER PRESSでは、映画メディアの編集長たちによるリレーレビュー連載で毎週追っていきます。5話のレビューは、4話に続き「MOVIE WALKER PRESS」編集長の下田桃子がお届けします。
4話はレイア(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)の救出劇が展開。ダース・ベイダーとの戦いに敗れて惑星ジャビームに逃げ延びたオビ=ワン(ユアン・マクレガー)は、水の惑星ナーにある敵の要塞に潜入。次第にジェダイらしさを取り戻したオビ=ワンの戦いぶりや、T‐47エアスピーダーやTIEファイターの登場、反乱軍の活躍を彷彿とさせる派手なバトルなど、“スター・ウォーズらしさ”満載だった。5話も、冒頭からサプライズたっぷり。ついにサード・シスターこと尋問官リーヴァ(モーゼス・イングラム)の正体も明らかになる!
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
パダワン時代のアナキンとオビ=ワンの修行シーンに歓喜!
冒頭から、3話での“再会バトル”以上にファン心をぐっと掴む演出。パダワン時代のアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワンの、修行の回想シーンから始まるのだ。パダワンの証である三つ編み姿に惑星コルサントにあるジェダイ聖堂、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)の時代のようだ。「待ちくたびれましたよ マスター」と優しくオビ=ワンに呼びかける、ヘイデン・クリステンセンの発音も最高です。
ベイダー・スーツに身を包んだクリステンセンが最初に撮影現場に現れた時、スタッフたちは尋常ではないほど色めき立ったという。ユアン・マクレガーは「誰もが、“この瞬間を目にするためにここにいるんだ”と思いました」とインタビューで明かしていたが、パダワン時代のアナキン&オビ=ワンの2ショットもまた、現場はおおいに盛り上がったのではないだろうか。
クリステンセンは、ここ数年、俳優としてあまり表舞台に立っていなかった。ダース・ベイダーの姿に変貌した『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)から10年後を描いた本作とあって、アナキンとしての素顔を見せてのカムバックは、うれしいサプライズ!
終わりなき“オーダー66”の夜…サード・シスターことリーヴァの正体が明らかに!
レイアのドロイドに発信器をつけてオビ=ワンの居場所を特定したことを評価され、大尋問官に昇進したサード・シスター。今回のストーリー上の最大のサプライズは、なんと――やはりと言うべきか――サード・シスターことリーヴァが、かつてのジェダイ候補生だったこと。ついにベイダー卿の側近にまでのし上がった彼女が、惑星ジャビームに籠城中のオビ=ワンと単独交渉するシーンで、徐々に過去を明かしていく。
「あの場にいたのか?」とオビ=ワンが口にする“あの場”とは、“オーダー66”のこと。”オーダー66”(別名「クローン・プロトコル66」)とは、ジェダイを銀河共和国の反逆者とみなし、ダース・シディアス(パルパティ―ン)が発令した、極秘のジェダイ抹殺命令のこと。ベイダー卿により眼の前で仲間たちを皆殺しにされたリーヴァは、恐怖を復讐心に変えてここまでやってきたのだ。
前回のレビューで「『オビ=ワン・ケノービ』というドラマは、過去にとらわれるオビ=ワンの、“心のケア”の道のりだ」と書いたけれど、“消せない記憶”に囚われているのはリーヴァも同じ。明けない夜はないと思いたいが…“オーダー66”の悲劇はまだ続いていた。
意を決してダース・ベイダーに斬りかかるも、直情的すぎるリーヴァの動きは読みやすく、ベイダー卿は彼女を視線で追うまでもなく片手で制裁。ダース・ベイダーの圧倒的な力を見せつけたエピソードでもあった。