【連載】「MINAMOの話をきいてミナモ?」 第4回 美とコンプレックス
コンプレックスを抱え傷ついた経験があって良かったと心から思う
化粧をして服を着ていざ外に出てみると、街のショーウィンドウに映る自分がいる。その自分を見てびっくり仰天。なんて不細工なんだと思い、ショックを受けてそのまま家に帰る。これはちょっと昔の私である。今思い返すと笑い話だが、当時は深刻な悩みであった。何か嫌なことがあると全て顔のせいにしてしまい、鏡を手放せなかった時期があった。そしてその鏡に映る自分の顔をみてワンワン泣くのである。そんな人はこの世の中に山ほどいるのではないかと思う。私がこうしてコラムを書いている間にもコンプレックスにさいなまれ、涙する人がいるかもしれない。そう思うと悲しくていたたまれない。今すぐにでも抱きしめてあげたい。
今までつま先から頭のてっぺんまで、更にはアソコの中まで様々なコンプレックスに悩んできた私だが、どうしても他人と比較して悲しく、恥じてしまう自分があまりに哀れなので鬼の努力をしてコンプレックスを抹殺・撲滅・根絶した。しかし、コンプレックスを抱え傷ついた経験はあって良かったと心から思う。なぜなら私はその分人に同じ嫌な思いをさせないからである。呪いの言葉も言わないし、コンプレックスに傷つく人も否定しない。しかし人は無いものねだりする生き物だ。隣の芝生は、一生青いままである。何度見ても青いのだからもう見なくて良いのだ。
“自分の美の基準を人に押し付けない”ことを大事にしませんか
このコラムを書くにあたり、美とコンプレックスについて私なりに考えた結果、「“自分の美の基準を人に押し付けない”ということを大事にしませんか」と提案したい。当たり前に思われるようなことだが、この当たり前ができない(節度が分からない)人が多いのかもしれないと考えた。この私のコラムを目に留めてくださった方がこれを機にこの世の美とコンプレックスについて少しでも考えてくれたら嬉しいと思う。
今は多様性の時代。「自分で選択し、自分の意を持つ」ということが重要なスタンスであると思う。「美しさの価値観」も同様である。自分の中にだけ正解が見出せたならそれで十分幸せだと私は思う。
京都府出身。2021年6月にSOFT ON DEMANDよりAV女優としてデビュー。趣味は映画&レコード鑑賞、読書。
YouTubeにて「MINAMOジャンクション」を配信中。
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