ユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンが語る「オビ=ワン・ケノービ」撮影秘話「最終話にも楽しいイースター・エッグがあるので期待して!」
「レイア役のヴィヴィアンはとてもすてきな女の子で、僕たち全員を驚かせました」(マクレガー)
――10歳のレイア役のヴィヴィアン・ライラ・ブレアさんが、まさにレイアそのもので、日本でも大反響となりましたが、共演した感想を聞かせてください。
クリステンセン「『オビ=ワン・ケノービ』のファンとして、そしてシリーズを観ているなかで、若かりしレイアのキャラクターはすごくいいなと思っています。ヴィヴィアンは、レイアをすばらしいキャラクターたらしめている本質や資質をものすごくよく捉えていて、本当に楽しませてもらっています」
マクレガー「彼女はとてもすてきな女の子で、僕たち全員を驚かせました。あれだけの大役を演じるには、彼女はまだとても若い。でも、それをものすごい活気でやってのけた、本当にすばらしい役者さんです。また、優れた監督であるデボラ・チョウの力も大きかったです。特に子役から最高のものを引き出すためには、監督に繊細かつ巧みな手腕が求められる。そういった意味でもデボラは、ヴィヴィアンという若い役者にとって、すばらしい監督だったと思います」
――レイアがなぜ息子を「ベン」と名付けたのかがわかりますが、撮影している時に、これはファンが驚くだろうと思いながら撮ったシーンや、逆に後から、そういうことだったのか!と驚いたことがあれば教えてください。
クリステンセン「ジョビー・ハロルド(プロデューサー兼脚本家)やデボラ・チョウが、みんなが楽しめるように巧みにいろいろと仕込んでいるので、何度か見直したりして、新しい発見をしてもらえればと思うから、そこはノー・コメントで。最終話にも楽しいイースター・エッグがあるので期待して!」
マクレガー「実は『スター・ウォーズ』とはまったく関係がないけど、僕個人のイースター・エッグを入れています。これはまだ誰にも言っていません。去年、僕のモーターサイクル界のヒーロー、バレンティーノ・ロッシがレースを引退したんですが、ロッシの降車の仕方はすごく独特で、それをオビ=ワンがイオピー(クリーチャー)を降りる時にやりました(笑)」
クリステンセン「え、ホントに!?」
マクレガー「普通は後方から足をまたいで降りますが、ロッシは前から足をまたいでバイクを降りるんです。だから僕も、イオピーを降りる時、イオピーの首を足でまたいで降りたんです。僕のヒーロー、バレンティーノ・ロッシへのちょっとしたオマージュです(笑)」
クリステンセン「最高!」
「誰もが自分のなかにダークサイドとライトサイドを抱えている」(クリステンセン)
――コロナ禍で、ダークサイドに陥りそうになった人も多かったと思いますが、お2人もそういう経験はありましたか?そういう時に、自分の支えになるものはなんですか?また、ダークサイドに陥らないようにする秘訣も教えてください。
クリステンセン「誰もが自分のなかにダークサイドとライトサイドを抱えているのではないでしょうか。個人的には、父親になったことが僕をライトサイドにしっかりと留めてくれているように思います。でも、『スター・ウォーズ』がここまで心に強く響くのは、誰もがその両方を持っているからだと思うんです」
マクレガー「パンデミックは僕らを試したし、混乱させました。未来や未来の形に対する展望も、ある意味変えてしまった。僕はそれまでそういう感覚を味わったことがなかったし、それは新しいことで、怖くもありました。また、同時に、コロナ禍で家族と一緒に隔離生活を送れたことは、とても恵まれていたとも思っています。妻と子どもたちと一緒に過ごすなかで、仕事をしないことが、思っていたより得意なんだと気づきました(笑)。家族と過ごす時間をいかに愛しているかを含め、僕にとって、そういった気づきこそが、ライトサイド側に僕を留めてくれるものになっている気がします」
――「スター・ウォーズ」ファミリーになって約20年、喜びも苦しみもあったと思いますが、これからもファミリーでい続けることの覚悟を聞かせてください。
マクレガー「一旦足を踏み入れたら、そこからは仲間という感じですが、そういうファミリーになれたことは、前からとてもすてきなことだと思っています。新三部作での僕らの仕事もすごく気に入っていますが、『スター・ウォーズ』の伝説や世界の一部になれることは本当に名誉なことだと感じます。だから、こうやって引き続き背負っていけることには、格別の想いがあります」
クリステンセン「まったく同じ気持ちです。新三部作に参加し、あのキャラクターたちを演じることができたことは、本当にすばらしい機会でした。僕としても、ジョージ・ルーカスやユアンをはじめ、ものすごい才能を持った方たちと一緒に仕事ができるなんて、夢のようでした。そしていま、これだけの時を経て、また戻ってくることができて、また彼らの物語を紡ぐことができました。こんなに特別なことはありません」
取材・文/山崎伸子