監督&キャストが語る、韓国映画No. 1大ヒット『モガディシュ 脱出までの14日間』の舞台裏!「説明できないくらい至高の体験」

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監督&キャストが語る、韓国映画No. 1大ヒット『モガディシュ 脱出までの14日間』の舞台裏!「説明できないくらい至高の体験」

「数々の名シーンが生まれました」(チョ・インソン)

制作を進めていくなかで特に苦労したのは撮影場所だ。物語の舞台となるモガディシュを首都としたアフリカ東端部に位置するソマリアは、現在韓国政府から渡航禁止国家に指定されている国。そのためリュ・スンワン監督をはじめ製作陣は実際のモガディシュに行けないまま映画を作らねばならず、当時の現地の状況を知るための資料収集も困難を極めたという。

モロッコに再現された、1990年当時のソマリアの風景は見応え抜群
モロッコに再現された、1990年当時のソマリアの風景は見応え抜群[c]2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.   

そして1990年のモガディシュを描くために最も適した撮影場所として選ばれたのは、アフリカ北西端の国モロッコだ。現地の資料などを通して空間にあったコンセプトを作り、舗装された道路の上に直接土を重ねて事件当時のソマリアの“舗装されていない道路”を作りだす。さらにソマリアの建築様式を再現するなど、徹底的にリアリティを追求。モガディシュを完全再現した空間でのオールロケによる撮影は、約3か月にわたって行われた。


韓国参事官カン・テジン役は『ザ・キング』のチョ・インソン
韓国参事官カン・テジン役は『ザ・キング』のチョ・インソン[c]2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.   

インタビュー映像のなかで韓国参事官カン・テジンを演じたチョ・インソンは、「モロッコでの3~4か月にわたる撮影で数々の名シーンが生まれました」と自信をのぞかせている。リュ・スンワン監督もモロッコというロケ地について、「とてもすばらしい撮影インフラを持っている国です。芸術的な太陽の光とハリウッド仕込みの技術に慣れた完璧な現地スタッフ。そしてとてもすてきな人々とアフリカ、ヨーロッパ、中央アジアの文化まで多様に混在しているロケーションは、これまで経験してきたどんな場所よりもすばらしかったです」と語り、現地の俳優スタッフとの交流を「とても美しい思い出」と形容する。「ただモロッコはイスラム国家なので、豚肉のたっぷり入ったキムチチゲを何か月も食べることができなかったのは本当に辛かったです(笑)」。

「誰かがNGを出しても、ただ笑っていた」(キム・ユンソク)

いぶし銀俳優から注目の若手まで、豪華キャストが撮影現場を振り返る!
いぶし銀俳優から注目の若手まで、豪華キャストが撮影現場を振り返る![c]2021 LOTTE ENTERTAINMENT & DEXTER STUDIOS & FILMMAKERS R&K All Rights Reserved.   

戦火の中の過酷な逃走劇を描きだす本作では、文字通り俳優たちが体を張ったスタントシーンも数多く存在している。生易しい現場ではなかったはずだが、韓国大使ハン・シンソンを演じた名優キム・ユンソクは「誰かがNGを出しても、ただ笑って」と現場の雰囲気を明かしており、対立する北朝鮮のリム・ヨンス大使を演じたホ・ジュノは、本作が初共演のキム・ユンソクとチョ・インソンを「2人のコンビネーションが抜群」と笑顔でコメント。チーム「モガディシュ」の結束力は強固だったようだ。

リュ・スンワン監督も「本当にすばらしく、それ以上説明できないくらい至高の体験でした。監督という職業に就いたおかげで、この世で誰よりも先に彼らの演技を見ることができたことはとても光栄でした」と興奮気味に彼らを大絶賛する。

映像には貴重なメイキング風景と共に、本作で北朝鮮参事官テ・ジュンギを演じた、いま注目の若手俳優ク・ギョファンなどのインタビューも収められており、必見の内容となっている。

近年ますます国際的評価が高まり、勢いに乗る韓国映画界のパワーを全編通して感じることができる本作。いつどこで起きてもおかしくない緊張感あふれるストーリーと手に汗握るアクション、その魅力を最大限に引き出す撮影や美術などの技術力。そして俳優たちの鬼気迫る演技を、是非とも劇場で目撃してほしい。

※記事初出時、役名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

文/久保田 和馬

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