「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022」で、飛翔する監督たちの新作3本から国内コンペ作品14作を一挙紹介!

コラム

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022」で、飛翔する監督たちの新作3本から国内コンペ作品14作を一挙紹介!

若手クリエイターの登竜門とされる「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」。第19回を迎える今年は、7月16日(土)~7月24日(日)に3年ぶりとなるスクリーン上映と、7月21日(木)~7月27日(水)でのオンライン配信とのハイブリッド形式での開催となる。そのなかで、オープニング作品『世界の始まりはいつも君と』を含む、本映画祭で過去にした監督たちによる最新作をワールドプレミアで上映する「What's New~飛翔する監督たち~」の3本や、国内コンペティション作品の長編6本、短編8本の見どころをご紹介する。

2004年に埼玉県川口市で誕生した同映画祭は、デジタルシネマにいち早くフォーカスした国際コンペティション映画祭として、数多くの若い才能の発掘と育成に貢献し、成長を重ねてきた。その実績は「孤狼の血」シリーズや『死刑にいたる病』(22)の白石和彌監督や、商業映画デビュー作『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)が日本アカデミー賞の2部門で最優秀賞を受賞した中野量太監督、『カメラを止めるな!』(17)が社会現象となるメガヒットを記録した上田慎一郎監督などの活躍を見れば明らかだ。

最近では、『泣く子はいねぇが』(20)の佐藤快磨監督(『歩けない僕らは』で2019年国内コンペティション短編部門観客賞)や『滑走路』(20)の大庭功睦監督(『キュクロプス』で 2018年国内コンペティション長編部門ノミネート)、『彼女はひとり』(18)の中川奈月監督(2018年同作でSKIP シティアワード受賞)、『カウンセラー』(21)の酒井善三監督(2021年同作でSKIP シティアワード受賞)、『鬼が笑う』(21)の三野龍一監督(2021年同作で国際コンペティションノミネート)などの新鋭監督が本映画祭から輩出されてきた。

今年は99の国と地域から、合計935本の応募があったなかから、選りすぐりの作品群が上映されるが、今回も光る原石といえる才能あふれる作品群が世に放たれる。

「What's New ~飛翔する監督たち~」では映画祭出身監督の新作3本がお目見え

「What's New ~飛翔する監督たち~」と題した企画では、期待値の高い新作3本がお披露目となる。2018年『予定は未定』、2019年『ミは未来のミ』、2020年『コーンフレーク』で3年連続の受賞を果たした磯部鉄平監督の最新作『世界の始まりはいつも君と』(22)は本企画で上映されるほか、今年の映画祭の幕開けを飾るオープニング作品としても上映される。

また、昨年の国内コンペティションで優秀作品賞と観客賞をW受賞した『夜を越える旅』(21)の萱野孝幸監督によるオフビートコメディ『断捨離パラダイス』(22)や、2019年の国内長編コンペティションで上映され、劇場公開もされた真田幹也監督作『ミドリムシの夢』(19)のシリーズ第2弾となる『ミドリムシの姫』(22)もお披露目される。

パラレルワールドで展開する女子高生たちの生死を懸けたドラマ『世界の始まりはいつも君と』

『世界の始まりはいつも君と』
『世界の始まりはいつも君と』[c]Carmina

文化祭の準備に余念のない高校2年生の漫才コンビ、ユウとノブは学園のほかの人と同じく変わらない日々を過ごしていた。ところが科学部の氷鏡と映画部の依鳴だけは、なにかの異変に気づいていた。パラレルワールドで展開する、女子高生たちのサバイバルドラマの原作は、麻草郁の人気舞台「アリスインデッドリースクール」。2010年の初演以来10年以上にわたり再演を繰り返し、アニメやコミック化もされている人気作だ。キャストは過去の磯部作品にも出演した手島実優、根矢涼香、倉嶋かれん、辻凪子らに加え、舞台版に出演し、本作の主題歌も歌う栗生みなら期待の若手女優が参加している。


ごみ屋敷を舞台に繰り広げられる人情喜劇『断捨離パラダイス』

ごみ屋敷が舞台の『断捨離パラダイス』
ごみ屋敷が舞台の『断捨離パラダイス』[c]断捨離パラダイス

ピアニストの律稀は原因不明の手の震えによりキャリアを断たれ、ごみ屋敷専門の清掃業者「断捨離パラダイス」で働くことを決意する。華やかな世界から一転する日常を送ることになった律稀は、想像を絶する世界を目撃していく。本作は、ごみ屋敷を舞台に繰り広げられる人情喜劇。ゴミ屋敷の住人と、そこを片付ける清掃業者の6編のエピソードが綴られていく。ミニマリスト、断捨離といった、モノをなるべく減らしていくことが良しとされている現代で、改めてモノを手放すことの意味を考えたくなる1本だ。

日本初の駐禁コメディを謳った話題作の続編『ミドリムシの姫』

【写真を見る】濱口竜介監督作に出演する女優、河井青葉が『 ミドリムシの姫』で見せた体当たりの演技は?
【写真を見る】濱口竜介監督作に出演する女優、河井青葉が『 ミドリムシの姫』で見せた体当たりの演技は?[c]ミドリムシフィルム

駐車監視員、通称“ミドリムシ”として働く幸子はベテランの知念とコンビを組むことに。最初は四角四面な知念の仕事に疑問を持つも、徐々に感化されていくが、やがて街では「ミドリムシ狩り」が流行り始めていた。2019年に制作された『ミドリムシの夢』の続編は、舞台を新宿から池袋に移し、さらにパワーアップした内容に。前作に続き真田幹也監督と脚本の太田善也がタッグを組んだ快作で、主演を濱口竜介監督の『偶然と想像』(21)での演技が記憶に新しい河井青葉が、知念役をベテラン俳優の大高洋夫が務める。


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■SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022
日程:【スクリーン上映】7月16日(土)~7月24日(日)、【オンライン配信】7月21日(水)~7月27日(水)
会場:SKIPシティ 彩の国 ビジュアルプラザ 映像ホールほか
内容:国際コンペティション、国内コンペティション(長編部門、短編部門) ほか
URL:http://www.skipcity-dcf.jp/
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