今井翼、『TELL ME ~hideと見た景色~』で「hideさんへの想いを共有できることがうれしい」と感無量!
hideの実弟である松本裕士の著書をもとに、1998年に急逝したhideが遺した音楽を世に届けるため奮闘する弟と仲間たちを描いた映画『TELL ME ~hideと見た景色~』。初日舞台挨拶が7月8日に新宿バルト9で開催され、今井翼、塚本高史、JUON、細田善彦、川野直輝が登壇。今井が「hideさんが亡くなってから随分と月日は経ちましたが、改めてhideさんへの想いを皆さんと共有できることを、本当にうれしく思っています」と感慨を語った。
X JAPANのギタリストで、ソロアーティストとしても活躍したhide。彼の弟で駆け出しのマネージャー、松本裕士役として、今井が映画初主演を果たした。大きな拍手に迎えられて登場したメンバーは、それぞれが会場を見渡して感無量の面持ちを見せた。
今井は「今日が初日ですが、僕は6回くらい観ています」とにっこり。「現場でも常にhideさんを思いながら過ごしていましたが、何度観ても、劇中のようにhideさんをすごく近くに感じた」とhideへの特別な想いを明かしつつ、「これだけ繊細な題材ですので、一人一人がhideさんを思って撮影をしていた。その想いが集結したことの喜び、感慨があります。この日を迎えるにあたって、期待と不安があった。皆さんの表情を見て、安堵している自分がいます」と初日を迎えた喜びを語った。
hide役を演じたJUONは、完成作を観て「最初から感動と涙、涙、涙でした」と感動したことを告白した。「自分もこの話をいただいてから、ずっとhideのことばかりを考えて生きてきた。この気持ちを言葉にするのは正直難しいんですが、ただ言えることは『観てくれてどうもありがとうございます』。この言葉に尽きます」と感謝を伝えると、会場からは大きな拍手。もちろん大役を担うことには「考えれば考えるほど、すごいプレッシャーもあった」というが、「それ以上に喜びの方が勝った。あれこれ考えていると中途半端かなと思っていたし、喜びが勝ったという自分の気持ちもうれしかった。このまま行っちゃえという気持ちでした」と笑顔を見せていた。
またhideのチーフマネージャー役を担当した細田は「僕は中学生くらいの時から、今井さんを見ていたので。その人の先輩役って、非常に戸惑いを感じながらやっていました」と打ち明け、これには今井も大笑い。細田は「映画のなかでは、今井さん演じる裕士にとって壁にならなくてはいけない役。『僕は中学生のころから今井さんのことを見守っていました』ということを、ふつふつと思いながらやっていました」と続け、今井は「劇中ではイヤになるくらい厳しい人ですが、(本人は)とても謙虚な方。役者ですからね、プロですよ」と称えていた。
この日は、それぞれがhideの好きな曲や、それにまつわる思い出を披露するひと幕も。今井は「特に『TELL ME』が好き。hideさんが常に自分自身に問いかけながら『どういう表現ができるのか』と思っていることを感じられる。この作品を通してさらに『TELL ME』への想いが深くなりました」としみじみ。塚本は「一番最初に聴いた(hideの楽曲)のが『DICE』。『DICE』を聴いてこの人誰だというところから入り、ビジュアルを見てかっこいいなと思い、僕もギターをお父さんに買ってもらった。そこから音楽の道にも興味を持った。『DICE』がなかったら、バンドやギターもやっていない」と運命の一曲だと話す。
JUONは「『ROCKET DIVE』ですね。先日のhideのメモリアルライブでは、ギターボーカルとして『ROCKET DIVE』の生演奏をさせていただいた。自分のこれからの音楽人生のお守りのような曲になっている」とコメント。細田は「『TELL ME』です。この映画の出演が決まってから、何度もいろいろな曲を聴いた。hideファン、第一歩のような曲かなと思って聴いていました」、川野は「『MISERY』です。メロディが好きだからです。曲にまつわるエピソードもステキです」とそれぞれが心を込めていた。
取材・文/成田おり枝