笑福亭鶴瓶が語る、グルーへの愛着と“師弟愛”への共感「師匠に憧れて、この世界に入った」
「ペット」シリーズや『SING/シング:ネクストステージ』(22)などのイルミネーションが手掛ける「ミニオンズ」シリーズの最新作『ミニオンズ フィーバー』がついに公開された。MOVIE WALKER PRESSでは、第1作『怪盗グルーの月泥棒 3D』(10)以来、12年間にわたってグルー役の日本語吹替版声優を務めてきた笑福亭鶴瓶に独占インタビュー。グルーとミニオンの始まりの物語が描かれる本作だが、グルーが“憧れの大人”に接する成長譚でもある。鶴瓶が実感込もった“師弟愛”や“グルー愛”を語ってくれた。
「子どもらがわちゃわちゃ楽しむアニメで“泣き”へ持っていくって、難しいと思うんですよ」
公開記念イベントでも、鶴瓶は「この映画は、ホン(脚本)がいいんや」と繰り返していた。「このシリーズには、必ず泣けるシーンがある。こういう、子どもらがわちゃわちゃ楽しむアニメで“泣き”へ持っていくって、難しいと思うんですよ。足掛け12年、もうシリーズも5作品あるけど、ようパターンの違うエピソードを入れるなって思う。今回はやっぱり、グルーと、師匠のワイルド・ナックルズのやり取りですね」。
1970年代を舞台にした本作、グルーは11歳の少年だ。悪党集団“ヴィシャス・シックス”に憧れているグルーは、新規メンバー募集と聞きつけて、面接に挑む。ヴィシャス・シックスに欠員が出た理由は、新リーダーのベル・ボトム(声:尾野真千子)が、「チームに世代交代が必要」と、旧リーダーのワイルド・ナックルズを追放したから。このワイルド・ナックルズ役を味わい深く演じているのが、市村正親だ。
「もちろん、アフレコは別々に録ってるんやけど、いっちゃん(市村)とは元から仲良いから、やりやすかったですね。ワイルド・ナックルズが、一度ベル・ボトムに負ける時があるやんか。チームを率いていたリーダーが一度、ドン底に落とされるって、観ていてすごいドラマティック。そこからのし上がってくるところも含めてね。あの辺の言葉のやり取りは、テンポ良く進むんだけど、泣けるんですよ。グルーにとっては、憧れの大人が目の前であないになってしまう。そんなホン(脚本)を書くねんなぁって。“情”の部分がちゃんと表現されていて、おもしろい」。
なかなか周囲になじめなかったグルー少年は、ミニオンたちと日々小さな悪事を働き、「大人になったらスーパー・ヴィランになりたい」と思っている。グルーの幼少期のエピソードも様々登場するが、若き姿で登場する母親マレーナも、相変わらずのアクの強さだ。「あのおかんのファンキーさは、そこに産まれたグルーへの影響大ですよ。あそこまでファンキーな設定にするのもすごい。あのおかん、おかしいやん(笑)」と大笑い。「知り合いに、よう似てるんですよ。見た目がそっくり。ロングロングの長尾(丈史)いう漫才師なんですけどね…」と言うと、「ちょっと、画像検索してみい」と、笑いながらマネージャーに声をかける鶴瓶。