道枝駿佑『セカコイ』は「一生忘れることのない、記憶に残る作品」公開初日に「ちょっと吐きそう」とド緊張!
一条岬の同名小説を道枝駿佑(なにわ男子)と福本莉子のダブル主演で映画化した『今夜、世界からこの恋が消えても』の初日舞台挨拶が7月29日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、道枝と福本をはじめ、古川琴音、松本穂香、水野真紀、萩原聖人、三木孝浩監督が登壇。道枝は「僕にとってもこれから一生忘れることのない、記憶に残る作品になりました」と本作への想いを力強く語った。
本作は、眠りにつくと記憶を失ってしまう“前向性健忘”を患ったヒロインの日野真織(福本)と、彼女を献身的に支えるも自らも大きな秘密を隠し持つ主人公、神谷透(道枝)の儚くもせつない愛の物語。初日の観客を前に、道枝は「すごく緊張しています。なんだかわからないですけど、ちょっと吐きそうです」と苦笑いしつつ、「無事に皆さんにお届けできてうれしいです」と挨拶。またこの日は、試写会などで本作を観た人からの感想が貼られたコメントパネルが披露され、熱いコメントの数々に登壇者陣も感激しきり。福本は「感動しています」と目尻を下げ、「まだ公開日という感じがしていなかったんですが、ちゃんと届いているんだなという実感が湧いてきた。ありがとうございます」と喜びをかみ締めていた。
“記憶”にまつわるドラマが描かれる映画にちなみ、本作の撮影を通して「記憶に残しておきたいエピソード」について明かすひと幕も。道枝は「真織と電車に乗るシーンがあったんですが、そこで透がうとうとして寝ちゃっているというシーンがあって。うとうとしていたら、監督から『道枝くん、半目になっているから。ちゃんと目を閉じて』と言われて。僕、普段寝ている時も半目になっちゃうんです。お芝居でも半目になるんだと思って。自覚がなかったので、すごく恥ずかしかったです」と告白した。三木監督は「せっかくのいいお顔が台無しになっていたので、ちょっと閉じたほうがいいなと思って」と楽しそうに振り返っていた。
福本は「透くんとの初デートでピクニックに行くシーン」と切りだし、「透くんが作ってきてくれたサンドイッチを食べながらお芝居をするシーンで。透くんの方を向いてしゃべっていたら、次の瞬間、パッとなにかが通って。気づいたらサンドイッチがなくなっていた。その犯人がトンビだったんです」とトンビにサンドイッチを奪われてしまったという。「まさか狙われているとは思っていなかったので、めちゃくちゃびっくりしました。皆さん、気をつけてください」と呼びかけていた。
また真織と透にとって頼れる友人である泉役を演じた古川は、「2人の一番きれいな顔を見ていたのは、カメラじゃなくて、私の目なんじゃないかなと思って」とにっこり。歩道橋で透が真織への想いを語る時の凛々しい顔を思い返しながら、古川は「せつないことを言っているのに、本人のなかでなにかをスパッと決めたような顔だった。ああ、カッコいいなと思って見ていました」と続けると、道枝は「ありがとうございます」と照れ笑い。さらに古川は「水族館で一緒に魚を見ていた時の真織の横顔がとってもきれいでした」と福本の表情にも惚れ惚れとしていた。
それぞれが大切な記憶ができた映画となった様子だが、最後に道枝は「登場人物それぞれの儚い葛藤や、不器用ながらも前向きでひたむきな、一生懸命なところが描かれた作品だと思う」と本作の魅力を語り、「僕にとってもこれから一生忘れることのない、記憶に残る作品になりました」と心を込めた。福本は「愛にあふれた作品。友情や家族愛、恋愛の愛がたくさん詰まった、いろいろな世代の方に刺さる作品になっていると思います。皆さんのおかげで初日を迎えられたことをうれしく思います」と晴れやかな笑顔を見せていた。
取材・文/成田おり枝