『プレデター:ザ・プレイ』制作陣&キャストらが語る、“歴史”と向き合う熱意

インタビュー

『プレデター:ザ・プレイ』制作陣&キャストらが語る、“歴史”と向き合う熱意

「この映画の続編を作ることがなければ、もう二度とないプロジェクト」(マイヤーズ)

左からジェーン・マイヤーズ、ダコタ・ビーヴァーズ、ダン・トラクテンバーグ監督、アンバー・ミッドサンダー、デイン・ディリエグロ(プレデター役)
左からジェーン・マイヤーズ、ダコタ・ビーヴァーズ、ダン・トラクテンバーグ監督、アンバー・ミッドサンダー、デイン・ディリエグロ(プレデター役)[c] 2022 20th Century Studios

――ジェーン(・マイヤーズ)への質問です。今作はディテールにも注意が払われていますが、歴史的な描写の正確さについて教えてください。

マイヤーズ「可能な限り、正確に描くことにこだわりました。あの時代にはまだ写真がなく、いくつかの絵があるだけ。それも多様なスタイルの絵があるわけではない。そのおかげで、私たちにはかなり自由がありました。けれどプロデューサーとしては、コマンチ族の要素をたっぷりと入れたいと考えました。ネイティブ・アメリカンでコマンチ族である私にとって、それはとても大きな意味のあることでした。

私は『プレデター』シリーズを観て育ちましたが、ネイティブの人間として、ひとつかふたつでいいから正しく描写してほしいといつも思っていました。そこでコマンチの言語を入れることをスタジオに売り込みました。そのおかげで、私が子どもの頃から学んできたことを使える夢のようなプロジェクトになりました。今後、この映画の続編を作ることがなければ、このようなプロジェクトはもう二度とないと思っています」

コマンチ族であるプロデューサーのもと、正確な描写を追求!
コマンチ族であるプロデューサーのもと、正確な描写を追求![c] 2022 20th Century Studios

ビーヴァーズ「オーディションに行く5日ほど前に、コマンチの言葉で書かれた脚本が送られてきました。最初は驚いたけれど、やるしかないと挑んだんです。全部コマンチの言葉で撮影できたら素敵だっただろうけど、コマンチでの吹替えも作られてうれしいです。吹替えをやったのはオリジナルのキャストだ。それも珍しいことで、とても有意義な体験でした。それは言語を保っていくためにも重要なことで、子どもたちが何度も観て、覚えてくれるかもしれない。そうなったらすばらしいことです」

ミッドサンダー「ネイティブの言語のバージョンが同時に公開されるというのは初めてのことだと思います。『スター・ウォーズ』や『ファインディング・ニモ』はあとになってからナバホのバージョンも作られたけれど、今作は同時公開。この映画に出てくるキャラクターにとっては、それが自然な言葉なのだからとても素敵なことです」


これまでとは少し異なるプレデターのデザインにも注目!
これまでとは少し異なるプレデターのデザインにも注目![c] 2022 20th Century Studios

――本作の撮影を通じてどんなことを学びましたか?

ビーヴァーズ「この映画からはとても多くのことを学ばせてもらいました。今作にかかわる人たちはみんなすばらしくて、僕の手助けをしてくれた。正直言って、ダンとジェーン(・マイヤーズ)が具体的になにをしていたのかも僕には理解できていないのですが、彼らは僕にとても優しくしてくれた。これは本当に楽しい経験になったから、演技の仕事を今後もずっとやっていきたいと思うようになりました」

――最後に、今作をついに世界の観客と分かち合えることを、どう感じていますか?

ミッドサンダー「すごくエキサイティングなことだけれど、ちょっとだけ怖くもあります。私が最初に今作のオーディションを受けたのは、2020年の初めでした。つまり、今作は私の人生に2年も存在していました。撮影は6か月もかかり、それが終わったのがほぼ1年前。すごいことのように感じているし、ようやくみなさんにお見せすることができるのが、とてもうれしいです」

構成・文/久保田 和馬

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