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満島ひかりの伸びやかな感性と、女優としての理想「“演じる”ことはあまりしないでいられたら」

インタビュー

満島ひかりの伸びやかな感性と、女優としての理想「“演じる”ことはあまりしないでいられたら」

「“誰でもいい誰か”でありながら、“誰でもよくない誰か”でありたくて」

亡き夫を慈しみ、彼の骨一片を口にする南。それは崇高な愛情表現とも取れるし、そこはかとなくエロティシズムをも漂わせる。満島は同シーンについて「一見、衝撃的なシーンに思えるけど、女の人だったらありえるかもと思えました」とすごく腑に落ちたそうだ。「演出において性別を分けて考えたくはないけれど、このシーンにおいては、荻上さんも女性だからこそ、自然に描けたのかなと感じています」。

満島ひかりが明かした、女優業についての意外な考え
満島ひかりが明かした、女優業についての意外な考え撮影/石田真澄

出世作となった『愛のむきだし』(08)、『川の底からこんにちは』(10)、『悪人』(10)を皮切りに、『駆込み女と駆出し男』(15)、『愚行録』(17)、『海辺の生と死』(17)など、様々な作品で高い評価を受けてきた満島。「誰もがそうかもしれませんが、“よいしょ”とカラダや心に束縛が入ることは得意ではないので、自分や日常と離れた役柄を演じる時には、身体的な苦しさを感じることも多いです。できるだけ、嘘のない姿でカメラの前にもいられたらと思ってはいて…」と述懐。

そして「最近は作品のなかで、だんだん我が目立たなくなってきたかな(笑)。ちょっとした力みが取れてきたのか、作品と一体化できているというか…すごく良い意味で捉えていて、自分では喜んでいるのですが」と意外なコメント。


【写真を見る】満島ひかりの素の顔を、写真家の石田真澄が撮り下ろし
【写真を見る】満島ひかりの素の顔を、写真家の石田真澄が撮り下ろし撮影/石田真澄

「いままでも理想にしてきたことですが、“演じる”ことはあまりしないでいられたら良いなと思っています。いま発見したこと、反応してしまったこととか、その逆にいっぱい努力して積み重ねて、“なじんだパフォーマンス”ができることも良いですよね。普段の自分の生活やコミュニケーション、知性やユーモアなんかがやっぱり隠せないなと感じます。私自身は、“誰でもいい誰か”でありながら、“誰でもよくない誰か”でありたくて。そこを荻上さんはとてもよくわかってくれていた気がします」。

また、荻上組ではおなじみのスタイリスト、堀越絹衣の衣装からも大いにインスパイアされたという満島。「衣装合わせで、1ミリもストレスがなかったのは初めてかもしれない。自分の趣向と違う衣装を着ることを受け止めなきゃいけない時はよくありますが、今回はただ『おもしろい!』とワクワクしました」と満面の笑みで語る。

衣装など、本作制作の裏舞台について語る
衣装など、本作制作の裏舞台について語る[c] 2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会

「堀越さんが『皮膚に当たる部分が変な生地だったら嫌じゃない?』と言っていましたが、確かに接触部分に、すごく良い生地のステテコを、それもかなりなじませたものを着せていただいて、なんだか皮膚呼吸がしやすかったです。あと、ムロさんにピンクの衣装を着せていたのも、すごくかわいいなあと思いました」。


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