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『ブレット・トレイン』とあわせてチェックしたい!シチュエーションを上手く活かしたスリル満点の鉄道ムービー

コラム 2022/9/11 7:30

『ブレット・トレイン』とあわせてチェックしたい!シチュエーションを上手く活かしたスリル満点の鉄道ムービー

ブラッド・ピット主演で伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」を映画化した『ブレット・トレイン』(公開中)。運の悪い殺し屋、レディバグ(ブラッド・ピット)が、東京発京都行きの高速鉄道の中からブリーフケースを盗み出すだけの簡単な仕事を請け負ったところ、なぜか列車に多くの殺し屋が乗り合わせており…という物語が展開する。

狭い車内でのアクションなど見どころ満載!(『ブレット・トレイン』)
狭い車内でのアクションなど見どころ満載!(『ブレット・トレイン』)

逃げ場のない車内で繰り広げられるハードなアクションや停車駅で起こるひと悶着、乗り込んでくる殺し屋など、列車ならではの描写が満載な本作にちなみ、鉄道を舞台にした良作を紹介していく。

『新幹線大爆破』(75)

新幹線と聞いて真っ先に思い出されるのが『新幹線大爆破』だ。高倉健、千葉真一、宇津井健といった豪華キャストが名を連ねた本作は、東京発の新幹線ひかり109号を舞台に爆弾ハイジャック事件を描いたパニック映画。乗客全員が人質状態となるなか、爆弾の場所を特定しようとする国鉄、徐々に犯人を追い詰めていく警察、犯行に至った事情を抱える犯人たち、停車駅を次々と通過しパニックに陥る乗客たち、とあらゆる方向から事態が描かれていく。

本作でユニークなのが、“新幹線の走行速度が時速80kmを下回ると爆弾が爆発する”設定。このアイデアは、ハリウッドの大ヒット作『スピード』(94)の元ネタと言われており、この設定が生むスリリングな展開からはひと時も目が離せない。

『アンストッパブル』(10)

実際の事故を題材に、暴走機関車をなんとか止めようとするシンプルなパニックムービー『アンストッパブル』
実際の事故を題材に、暴走機関車をなんとか止めようとするシンプルなパニックムービー『アンストッパブル』TM and Copyright [c]20th Century Fox Film Corp. All rights reserved./courtesy Everett Collection

列車が暴走する作品は数多く作られており、トニー・スコット監督の『アンストッパブル』もチェックしておきたい1作。2001年にオハイオ州で発生したCSX8888号暴走事故をベースとしており、些細なミスにより暴走した無人の貨物列車を止めようとする新人車掌とベテラン機関士の奮闘を描いた快作だ。

ディーゼル燃料と有毒化学物質を積んだ貨物列車が、都市部の大きなカーブで脱線してしまうのを防ぐべく、敢行されていく作戦の数々。機関車を暴走列車の前に回り込ませてスピードを落とそうとするなど、無茶な作戦が迫力満点に描かれており、シンプルな物語ながらスリリングな1作となっている。

『サブウェイ・パニック』(74)

ニューヨークの地下鉄を舞台にした『サブウェイ・パニック』
ニューヨークの地下鉄を舞台にした『サブウェイ・パニック』[c]EVERETT/AFLO

『サブウェイ・パニック』は、ニューヨーク市地下鉄ぺラム駅発123号がハイジャックされ、乗客と車掌を人質に身代金を要求されるなか、ウォルター・マッソー演じる鉄道公安局の警部が犯人たちに対峙する様子を描いたサスペンス。

じりじりと犯人に迫っていくウォルター・マッソーの怪演も見もの(『サブウェイ・パニック』)
じりじりと犯人に迫っていくウォルター・マッソーの怪演も見もの(『サブウェイ・パニック』)

本作では、完全に包囲された密室とも言える地下鉄からどのように脱出するのか?犯人グループの計画が大きな見どころ。のちに、テレビ映画版、そしてトニー・スコット監督による『サブウェイ123 激突』(09)としてリメイクもされるなど、高い人気を誇っている。

『カサンドラ・クロス』(76)

ヨーロッパ横断鉄道を舞台にした『カサンドラ・クロス』
ヨーロッパ横断鉄道を舞台にした『カサンドラ・クロス』[c]EVERETT/AFLO

カサンドラ・クロス』は、ジュネーブ発ストックホルム行きの列車を舞台にした70年代の快作。ある病原菌に感染したテロリストが、大陸横断鉄道の列車内へ逃げ込んだことから1000人の乗客の間で感染が広まり、隔離空間とされた列車内は混乱状態へと陥ってしまうパニックムービーだ。

病原菌を極秘に培養していたアメリカは、「カサンドラ・クロス」と呼ばれる崩落の危険がある巨大な鉄橋へ列車を進入させ、事故に見せかけて事実を隠蔽しようとするが、思惑に気づいた乗客たちはなんとか助かるべく、高速で走る列車の窓枠を伝って移動し、先頭車両を切り離そうとする。密室パニックに加えて、ダイナミックなアクションも楽しめる娯楽作になっている。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)

狭い車内でゾンビと対峙する恐怖が描かれた『新感染 ファイナル・エクスプレス』
狭い車内でゾンビと対峙する恐怖が描かれた『新感染 ファイナル・エクスプレス』[c] Well Go USA Entertainment /Courtesy Everett Collection

また、“鉄道×ウイルス”の組み合わせでは、韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』も話題を集めた1本。ソウル発釜山行の高速鉄道を舞台に、ゾンビパンデミックがもたらす恐怖や極限の状況を通し、コン・ユ演じる主人公が身勝手な男から成長していく様が描かれる。

狭い車内で繰り広げられるスリル満点のゾンビチェイス、車両に籠城し自分だけ助かろうとする人間の醜さ、トンネルに入り車内が暗闇になると動きが鈍くなるゾンビの弱点など、電車というシチュエーションを活かした描写がてんこ盛りだ。

『オリエント急行殺人事件』(74)

寝台列車で起きる殺人事件を描いた『オリエント急行殺人事件』
寝台列車で起きる殺人事件を描いた『オリエント急行殺人事件』[c]EVERETT/AFLO

密室性があり、駅で多くの人が乗り降りするなど、ミステリーとの相性も抜群な列車。アガサ・クリスティの原作を映画化した『オリエント急行殺人事件』は、数ある鉄道ミステリーのなかでも、誰もがその名を聞いたことがある作品だろう。

イスタンブール発カレー行きの豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人の富豪が殺される事件が発生し、乗り合わせていた名探偵のポアロが事件解決に挑む、もはや説明不要な物語。様々な偶然が重なったことによって打ち崩されていく、寝台列車ならではの犯行トリックがおもしろい1作だ。

『スノーピアサー』(13)

学校のような車両もあったりと設定や描写がユニークな『スノーピアサー』
学校のような車両もあったりと設定や描写がユニークな『スノーピアサー』[c]Weinstein Company/Courtesy Everett Collection

最後に、列車を舞台にした変わり種の1作として挙げておきたいのが、フランスのバンド・デシネを原作としたポン・ジュノ監督作『スノーピアサー』。地球が氷で覆われた近未来、その過酷な環境下を止まることなく爆走し続ける永久機関列車が舞台のSFだ。

残された人類が暮らす”ノアの方舟”的な列車スノーピアサーでは、車両ごとに階級が分けられており、劣悪な環境で暮らす最後尾の貧困層が、富裕層による理不尽な支配に抗おうとする姿が描かれていく。一両一両と車両を進んでいく物語、そして最前列で待ち受けている衝撃の事実…と列車の長さを生かした展開がユニークだ。

高速鉄道を舞台に殺し屋たちのバトルが繰り広げられる(『ブレット・トレイン』)
高速鉄道を舞台に殺し屋たちのバトルが繰り広げられる(『ブレット・トレイン』)

『ブレット・トレイン』のようなアクションから、ミステリー、パニックもの、はたまたSFまで、様々なジャンルの傑作を次々と生みだしてきた鉄道ムービー。本作の公開を機にその醍醐味を堪能してみてほしい。

文/サンクレイオ翼

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