あと何度泣かされるのか…“不老不死”の旅路を描くアニメ「不滅のあなたへ」、第1期をおさらい!

コラム

あと何度泣かされるのか…“不老不死”の旅路を描くアニメ「不滅のあなたへ」、第1期をおさらい!

無限の時を生きることができ、老いることもなく、なにより死ぬことがない…まさにおとぎ話のような不滅の存在。人類共通の叶わぬ夢だからこそ“不老不死”は創作物ではテーマとして描かれ、近年にも話題を呼んだ作品がある。2021年4月から8月にかけてNHK Eテレでの放送やWeb配信で人気を集めたアニメ「不滅のあなたへ」だ。

【写真を見る】「週刊少年マガジン」で連載中の、大今良時による「不滅のあなたへ」
【写真を見る】「週刊少年マガジン」で連載中の、大今良時による「不滅のあなたへ」

不死身の主人公の長い長い旅路を温かくもせつない物語として紬いだ本作は、講談社「週刊少年マガジン」発のコミックが原作。アニメ映画化もされ大ヒットした名作「聲の形」の大今良時が手掛けている。本稿では、10月23日から待望となるアニメSeason2の放送がスタートしたことをきっかけに、第1期の物語や見どころをおさらいしたい。

不滅の存在、けれど、”不変”ではない主人公の魅力

物語の主人公は、本作のテーマでもある”不滅”の存在。のちに「フシ」という名前がつくが、当初は名もなき存在である。はじめに”観察者”(声:津田健次郎)という謎の存在によって地上に投げ込まれた時は、人間ではなく”球”の姿をしていた彼は、「刺激を受けた物の姿へ変化できる能⼒」と「死んでも再⽣できる能⼒」の2つの超常的な能力を持っていた。その能力によって第1話では石やコケ、次にオオカミ、そしてとある少年にと、”刺激を受けた物”に姿を変化させていく。


刺激というのも様々で、楽しいことばかりではなく、出会いと別れ、悲しくつらい出来事も多い。フシの成長には視聴者の涙がつきもの、と言っても過言ではない。特に人間と出会ってからはそういった経験を得て、知識も感情もないただの球だった彼が人間を模しながら精神的に成長していく。悠久の時を生きる不死身のフシが、決して不変の存在ではないというのが本作の大きな魅力となっている。

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