「キャシアン・アンドー」を観る前にチェックしたい!“名もなき戦士”たちの雄姿を描いた『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の物語
9月21日(水)よりディズニープラスにて独占配信される最新ドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」。「スター・ウォーズ」のスピンオフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)で活躍した反乱軍の情報将校キャシアン・アンドーが、いかにして“英雄”になったのかが描かれる。その配信に先駆け、キャシアンの初登場作『ローグ・ワン』が日本初のIMAX2Dで、9月22日(木)までの期間限定でT・ジョイPRINCE品川にて上映中だ。そこで今回は、『ローグ・ワン』で映しだされる“名もなき戦士たち”の壮絶なレガシーを振り返っていきたい。
『ローグ・ワン』は「スター・ウォーズ アンソロジー・シリーズ」の第1弾として製作された劇場作品。舞台は『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)の直前で、帝国軍の襲撃を受けたレイア姫がR2-D2に託した“デス・スターの設計図”を、反乱軍が入手するまでの物語だ。
銀河帝国が究極兵器デス・スターを完成させる。しかし、デス・スター建造の中核を担う科学者ゲイレン・アーソ(マッツ・ミケルセン)は、その急所を記した設計図を密かに反乱軍に渡そうとしていた。ゲイレンは帝国軍のパイロット、ボーディー・ルック(リズ・アーメッド)に設計図を託して脱出させるが、ボーディーは惑星ジェダの反帝国勢力、パルチザンに拘束されてしまう。
それを知った反乱軍は、ゲイレンの娘ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)への接触を図る。彼女は幼いころに父が帝国軍に連れ去られ、その後パルチザンの指導者であるソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)に引き取られていた。いまは無法者となり、帝国軍に逮捕されていたジンだったが、ドロイドのK-2SOや反乱軍兵士によって救出される。ソウとの交渉役になることを要請された彼女は、反乱軍のスパイであるキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)らと共に壮絶なミッションに挑んでいく。
はぐれ者だけど、強い信念を持った“ローグ・ワン”のメンバーたち
“ローグ・ワン”のメンバーを紹介しよう。ならず者部隊のリーダー的存在が、ゲイレンの娘ジン・アーソ。帝国に父を奪われ母を殺された彼女は、犯罪に手を染めながら生き抜いてきた暴走気味のヒロインで、その出自のため反乱軍に利用されることになる。ジン役を務めたのは『博士と彼女のセオリー』(14)でアカデミー賞主演女優賞ほか多くの映画賞にノミネートされた演技派フェリシティ・ジョーンズ。彼女は『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)をフェイバリットに挙げる「スター・ウォーズ」ファンで、その世界に加わったことを特別な体験だと語っていた。
ジンのお目付役が反乱軍生え抜きのキャシアン・アンドーで、タイトルロールになっていることからもわかるとおり、「キャシアン・アンドー」では主人公に抜擢。未開のアウター・リム領域で育った過去を持つ彼は、銀河共和国の軍事拡張に抗議した父を殺されており、ゆえにクローン大戦では石や瓶を投げて共和国と戦った。しかし、帝国が支配する時代になると、帝国に反抗する無政府主義運動に加担するように。その後ドレイブン将軍に誘われたキャシアンは、しだいに規模を増す反乱軍に迎えられた。
冷静沈着で、任務遂行のためには手段を選ばない冷徹な戦士だが、自分と似た悲しい過去を持つジンと行動を共にするなかで、使命感に目覚めていくキャシアン。演じるのはメキシコの実力派ディエゴ・ルナで、アルフォンソ・キュアロン監督&ガエル・ガルシア・ベルナル主演の『天国の口、終りの楽園。』(01)のほか、『ミルク』(08)や『エリジウム』(13)に出演、声優としても『DC がんばれ!スーパーペット』(22)に参加するなどハリウッドでも活躍し、プロデューサーや監督としても手腕を振るう才人だ。
キャシアンの相棒というべき存在が警備ドロイドK-2SO。帝国軍が開発したエンフォーサー・ドロイド(監視用ロボット)だったが、反乱軍用にプログラムを入れ替えられた。自信家で独善的、毒舌家ということもあって“黒いC-3PO”というべき存在だが、ここ一番で最も頼りになる。『アイ、ロボット』(04)でもロボットを演じたアラン・テュディックが、この愛すべきドロイドに命を吹き込んだ。
ボーディー・ルックは帝国軍のパイロット。ゲイレンのメッセージを届けるために脱走し、反乱軍に加わる。短気で扱いにくいが、操縦テクニックはトップレベル。反乱軍では帝国で培った知識を活かして活躍を見せる。なお、“ローグ・ワン”の名は、命令を無視して出撃する時に彼がとっさに思いついた嘘のコールサイン。演じるリズ・アーメッドと言えば、『ヴェノム』(18)でヴィランのライオット役で出演したほか、主演作『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』(20)では第93回アカデミー賞の主演男優賞候補にも選ばれた注目株だ。
フォースの存在を信じる盲目の僧侶がチアルート・イムウェ。砂漠の星ジェダで寺院の守護者をしていた過去を持ち、帝国軍からジンとキャシアンを救ったことで仲間に加わる。武術の達人で、盲目だが研ぎ澄まされた知覚を持ち、杖や矢を使って大暴れ。香港のトップスターで『ブレイド2』(02)や『トリプルX:再起動』(17)などハリウッドでも活躍しているドニー・イェンが好演した。
ベイズ・マルバスはチアルートの相棒で、ブラスターや甲冑など全身を装備で固めたリアリスト。銃の腕はピカイチで、フリーの暗殺者とも言われている。演じたのは『紅いコーリャン』(87)などチャン・イーモウ監督作で知られる中国の名優チアン・ウェンだ。
チアルートとベイズのコンビは劇中でも大活躍で、軽口を交わし合いながらも、見事な連携プレーで敵兵を次々と撃破。また、互いを助けるためなら自身の命も投げだすような絆の強さもエモーショナルに描かれ、この2人を推すファンも多いだろう。
ジンの父ゲイレン・アーソは帝国で働く科学者。自身の研究が兵器利用されていると知り関係を絶つが、強引にデス・スター開発に引き戻された。そこで彼は反応炉を脆く設計することを思い立つ。演じるのは、“北欧の至宝”として幅広く活躍するマッツ・ミケルセン。ゲイレンの苦悩をリアルに演じたほか、愛する娘ジンを「スターダスト」と呼ぶ優しいまなざしも印象的だった。