「キャシアン・アンドー」を観る前にチェックしたい!“名もなき戦士”たちの雄姿を描いた『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の物語

コラム

「キャシアン・アンドー」を観る前にチェックしたい!“名もなき戦士”たちの雄姿を描いた『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の物語

最前線で戦い、命を燃やした戦士たちの物語

『ローグ・ワン』の大きな魅力が、はみだし者部隊“ローグ・ワン”の面々が織りなすドラマチックな物語だ。反乱軍と帝国の戦いを大局から描いた本筋に対し、本作は最前線で戦う名もなき戦士たちの物語。アウトローとして生きてきたジンはもちろん、キャシアンをはじめ反乱軍の兵士たちも命じられるまま汚れ仕事に従事してきた。そんな彼らが、己の信じる正義のために危険なミッションに打って出る姿に心打たれた人も多いだろう。孤高のクセモノたちがひとつにまとまっていく波乱のドラマのほか、アーソ家の絆、ジンと育ての親ソウ・ゲレラの確執、チアルートとベイズの友情など胸熱ポイントが満載だ。なお、『エピソード5/帝国の逆襲』ではルーク・スカイウォーカー率いるローグ中隊が活躍したが、その名の起源は戦局を変える殊勲をあげたローグ・ワンかも?

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はディズニープラスにて配信中
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はディズニープラスにて配信中[c] 2022 Lucasfilm Ltd.

レイア・オーガナ姫やモフ・ターキンをCGで作り出した驚きのビジュアル

もう一つの見どころと言えるのが、ビジュアルへの並々ならぬこだわりだ。『エピソード4/新たなる希望』の前日談ということもあり、ラストシーンでそのオープニングが再現された『ローグ・ワン』にとってビジュアルの遵守は生命線。そこでスタッフはデザインワークや撮影を含め、高いレベルで『エピソード4/新たなる希望』の世界を創りだしながら、帝国軍の特殊部隊デス・トルーパーやショアトルーパー、AT-ACT カーゴウォーカーなど新たなキャラクターやメカも物語に上手く溶け込ませた。ダース・ベイダーや反乱軍の女性司令官モン・モスマに加えて、若いころのキャリー・フィッシャーに寄せたレイア・オーガナ姫や故ピーター・カッシングが演じたモフ・ターキンもCGで再現。シリーズを続けて観ても違和感のないビジュアルを生みだした。

ダース・ベイダーも登場!(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』)
ダース・ベイダーも登場!(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』)[c] 2022 Lucasfilm Ltd.

ちなみに、本作の原案を書いたのは『エピソード4/新たなる希望』に衝撃を受け、15歳の時にILMを見学したのを機に視覚効果の世界に入ったILMの重鎮ジョン・ノールだ。スピンオフ製作の話を聞いた彼は、『エピソード4/新たなる希望』のオープニングロールの一節「反乱軍のスパイは帝国軍の究極兵器の設計図を盗みだすことに成功」を膨らませて原案を執筆。そのアイデアが採用され、原案と視覚効果監修、製作総指揮を兼任した。一方、監督を務めたのは視覚効果出身で『GODZILLA ゴジラ』(14)を大ヒットに導いたギャレス・エドワーズで、シリーズ第1作が撮影されたチュニジアなどで「スター・ウォーズ」の聖地巡礼をしていたとか。生粋の「スター・ウォーズ」ファンが集まったからこそ、実現した企画と言える。

AT-ACT カーゴウォーカーなど新たなメカも登場(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』)
AT-ACT カーゴウォーカーなど新たなメカも登場(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』)[c] 2022 Lucasfilm Ltd.

いよいよ配信開始までカウントダウンに入った「キャシアン・アンドー」。『エピソード4/新たなる希望』の5年前を舞台に、キャシアンの素顔に迫る本作は、『ローグ・ワン』で彼が「忘れてしまいたくなる仕事」とだけ語っていたダーティな任務も描かれるようだ。6歳の時にすべてを失い反乱軍に参加した彼の生い立ちや、キャシアンが自ら再プログラミングしたというK-2SOとの出会い、さらにその時代の反乱軍や帝国軍の動向も気になるところ。製作総指揮とエピソード脚本を、『ローグ・ワン』の共同脚本や「ジェイソン・ボーン」シリーズの脚本を手掛けたトニー・ギルロイが担当しているという点でも期待は大きい。「キャシアン・アンドー」の配信スタートを楽しみに待ちたい。

文/神武団四郎

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