「いい意味で裏切られた」「あまりにせつなくて最後は号泣」…『アイ・アム まきもと』が泣けるって本当?
牧本の成長がエモい!笑いあり涙ありの感動ストーリー
そんな優しいキャラクターたちによって紡がれる物語は、コメディをベースとしたなかにもしっかりと感動が盛り込まれたまさに“笑いあり涙あり”。なかでも観客たちの心に響いていたのが、どんな故人に対しても手厚いおみおくりをする牧本の姿だ。
「1人1人の葬儀を行うシーンは、故人に対し、ひとりぼっちで弔われている訳ではないというメッセージが伝わりました。牧本が真剣に向き合ってくれた故人は最後が孤独死だったとしても、幸せだったのではないかと思います」(20代・女性)
「一見強面で迷惑ばかりかけてそうな故人の人生をきちんと見つめ、文面に起こすシーンは、すばらしかったです」(30代・女性)
また「牧本、こうなっていました」という仕草が示しているように自分の世界に入り込んで周りが見えなくなってしまう牧本だが、様々な人たちと交流を通して徐々に変化が生まれ始める。そんな心境の様子もさりげない描写などを通して丁寧に描かれており、
「心の機微が表面に表れてゆくさまはとても好きでした。ありがとうとお礼を言うようになったり、紅茶を飲むのもティーバッグからティーセットになっていたり、毎日少しずつ向き合う日常からよりよく変化してゆくことって大切だなぁと思いました。あと人の話を聞く時はちゃんと向き合って顔を向けている姿も印象的でした」(30代・女性)
「大事に赤ちゃんを抱っこし、初めて触れる赤ちゃんや匂いに安らぎを覚える様子、帰宅して脱いだスーツの上着に見つけたシミを愛おしそうにする姿からは、牧本のまっすぐで心優しい本質が伝わり、彼にもたらされた人の温もりから来る変化が温かかった」(50代・女性)
など、多くの人が成長に心を動かされたようだ。そんな本作だが「ほっこりする映画だと思っていたのに、あの結末はいい意味で裏切られた」(40代・女性)、「重いテーマで進んでいく作品のなかで、途中クスッと笑える牧本さんに癒されていましたが、あまりにせつなくて最後は号泣してしまいました」(50代・女性)と、ラストには予想外の展開が訪れる。
劇中で印象に残るのが、「がんばった、がんばった」というワード。繰り返し出てくるこのセリフが思わぬところで発せられるラストは「“疲れた”を“がんばった”と。これが胸に響きまくって泣いた」(40代・その他)など、多くの人の心に突き刺さったようだ。
避けられない死を描くからこそ、万人の心に響く!
誰にでもいつかは訪れる死を扱う1作だけに「誰に薦めたいか?」との質問に対し、友だちや家族、同年代の人、子どもたちまであらゆる人へ薦めたいという回答が下記の言葉と共に並んでいた本作。
「孤独死という重いテーマを扱いながら、温かみのある作品でした。音楽や映像、自然の音など癒される要素もたくさんありましたが、死についても深く考えさせられるすてきな作品でした」(20代・女性)
「人生や人との出会いの大切さを考える機会になる」(40代・女性)
「心が温かくなる映画。生と死。人とのつながり。誰も自分とは切り離せないことが、静かに流れるように描かれているよ」(30代・女性)
観客たちに「大事な人のことを思い出す、ハートウォーミングな映画」(50代・女性)と評価される『アイ・アム まきもと』。変わり者の男が巻き起こす、思いがけぬ奇跡をぜひ劇場で目の当たりにしてほしい。
構成・文/サンクレイオ翼