ついに帝国軍基地への潜入作戦を決行!先が読めなさすぎる「キャシアン・アンドー」前半戦を総括
ディズニープラスで好評配信中の「スター・ウォーズ」最新ドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)に登場した反乱軍のスパイ、キャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)の過去を軸に、銀河帝国の圧政に抵抗する人々と反乱軍誕生を巡る衝撃のドラマが描かれる。シーズン1全12話で展開される本作は、10月12日配信の第6話で折り返しを迎え、サスペンスアクションの色合いをどんどん深めていった。そこで初回配信時、一挙公開された第3話までについて語り合った「月刊シネコンウォーカー」編集長の佐藤英樹、「DVD&動画配信でーた」編集長の西川亮、「MOVIE WALKER PRESS」編集長の下田桃子が再び集結。帝国軍組織へのスリリングな潜入劇が展開された第4~6話を観た3人から、どのような感想が飛びだすのだろうか?
初回~第3話において、ある事件を起こしてお尋ね者となった主人公キャシアン。素性が知れないものの、逃亡を手助けしてくれるという謎の男ルーセン(ステラン・スカルスガルド)の手引きで惑星フェリックスからの脱出に成功する。第4話以降の主要な舞台となったのは、アルダーニと呼ばれる僻地の惑星。キャシアンはそこでルーセンと別れ、反乱分子の軍事作戦に加担することになる。わずか7人のメンバーで、帝国軍の基地から四半期分の給与を盗み出すという危険な計画だ。一方で、シリーズのファンにはおなじみのモン・モスマ議員(ジェネヴィーヴ・オーライリー)も登場。首都惑星コルサントで暮らす彼女はルーセンを通じて、ひそかに反乱分子に資金提供をしているらしい。また、第3話でキャシアンを捕まえ損ねたエリート捜査官シリル・カーン(カイル・ソラー)は仕事をクビになって母親のもとに身を寄せるが、彼もまた思い詰めた様子。さて、気になる見どころは?
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「さすがトニー・ギルロイ!と感服しました」(西川)
西川亮(以下、西川)「いやー、おもしろくなってきましたね!正直、第3話までは下準備という印象も受けましたが、ここに来てドラマが進みだしました」
下田桃子(以下、下田)「そうですね。モン・モスマやカーンの妙にリアリティある家庭のドラマもあったりして、新鮮でした」
佐藤英樹(以下、佐藤)「第6話の作戦決行シーンには、やっと来たかー!という感じで楽しめました」
西川「第5話で言うと、キャシアンと険悪になった反乱分子の一人、スキーン(エボン・モス=バクラック)が、自身のつらい過去を打ち明けて、『これを謝罪と受け止めてくれ』と言うのが上手いやり取りだなあと。ただ『ごめんなさい』と言うんじゃなくて、そういう謝り方をセリフでさせるところに、さすがトニー・ギルロイ!と感服しました」
下田「ですね。そのシーンを含めてスキーンは、私の推しキャラになったんですけど、まさかあんなことになるとは…。演じるエボン・モス=バクラックは最近だと同じディズニープラスで配信中のドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』で、すごくいい役で出演しているんですよ。口も悪いし喧嘩っ早いんですが、友情に厚いキャラクター。今回もそういう役だろうと勝手に思っていましたが、ちょっと違いました(笑)」
「タイ・ファイターとのドックファイトに“らしさ”を覚えました」(佐藤)
佐藤「第6話はそういう意味でもドラマチックだよね。僕は第5話までは、あまり『スター・ウォーズ』らしさを感じなかったし、むしろ『ミッション:インポッシブル』や『ジェイソン・ボーン』シリーズのようなスパイものを観ている気分でした。それはそれで楽しんだけれど、給与の強奪に成功したレジスタンスが輸送船で逃げる際の、追ってくるタイ・ファイターとのドックファイトに“らしさ”を覚えました。全体的に登場するメカや機器のレトロフューチャーな感じも好きですね。いままでの『スター・ウォーズ』だとタイ・ファイターってザコなメカっていう印象があったけれど、『キャシアン・アンドー』のようにジェダイが出てこない物語では、すごく恐ろしい戦闘機に見えてくる」
西川「あれが上空に現われると、みんなビクッて警戒しますからね。怖い存在として、きちんと機能しています。それと第6話のクライマックスでは、アルダーニで3年に一度起こる天文現象“アルダーニの目”が描かれるけれど、あれもよかったなあ。ああいう流星群のようなビジュアルは、『スター・ウォーズ』作品では珍しいですよね」
下田「宇宙の話ではあるけれど、地上から夜空を眺めるというような描写は、確かにそんなに多くはなかったですね。アルダーニの人たち、とてつもない長旅をして来たはずなのに、ずっと歌い踊っていてめちゃくちゃ元気だった(笑)」