ネタバレ大開放!相葉雅紀&中田秀夫監督が明かす、『“それ”がいる森』の正体
「剣心くんが辛そうな時は“よしよし”してあげる係でした」(相葉)
――息子の一也役を演じたのはジャニーズ事務所の後輩の上原剣心くん。後輩と親子役を演じてみていかがでしたか?
相葉「僕らがJr.のころは、あまり手取り足取りで教えてもらえたことがなくて、先輩たちの仕事ぶりを見ながら学ぶべしという感じだったので、監督から熱心に演技指導をされているのを見てすばらしい環境だなと感じました。これまで仕事してきた子役の方たちは、僕の膝に乗ってきたり話しかけてきたりしていましたが、剣心くんはずっと大人しく座っていて、僕から話しかけないと喋ってこなかったり。やっぱり同じ事務所の先輩後輩という意識があるんだろうなと感じました。僕もKinKi KidsさんやV6さんにはなかなか気軽に話しかけられなかったので、誰に教えられるわけでもないけど、Jr.の子たちは自然とそうなっていくのでしょう」
――相葉さんからはなにかアドバイスをされたのでしょうか?
相葉「演技に関しては監督が丁寧に指導されていたので、あんまり僕がお芝居のことを言ってしまうと、誰を信じたらいいのかわからなくなっちゃうと思っていました。なので、僕は剣心くんが辛そうな時に“よしよし”してあげる係でした(笑)」
――お話からも、充実した現場だったことが伝わってきます。また次に、中田監督と相葉さんでタッグを組むなら、どんな作品がよいでしょうか。
中田「一途な恋愛ものか家族ものだと思うのですが…やっぱり相葉さんなら家族ものかな?」
相葉「恋愛ものは僕じゃダメですか?」
中田「僕のほうが恋愛ものダメですから(笑)。映画業界に入った時からずっと、宿命の恋みたいなテーマの作品をやりたいと思っていたんですが、僕自身があまり上手くなくて。例えば、恋愛でいろいろ難題を抱えている、料理上手なお父さん役とか似合うんじゃないでしょうか?」
相葉「いいですね、そういうの!楽しそうです」
中田「もしくは、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のように数十年の時間の流れを描く形で『“それ”がいる森』の続編を…とか言いたいところなんですけど、いまのところ続編の予定はないですね」
「“それ”も幽霊もまったく信じていないので…」(中田)
――続編もぜひ観てみたいです。では最後に、これまでの人生で実際に“遭遇”された経験があったら、教えてください。
相葉「僕は、残念ながらないんですよね…」
中田「僕は松竹のプロデューサーから『絶対出ます!』と言われて、“それ”が頻繁に目撃されるという、本作の舞台となった千貫森にロケハンと撮影を兼ねて行ったんですけど、『いいハイキングになったな』という程度でした」
相葉「…(笑)」
中田「子どもの頃は円谷プロの作品なんかを心躍らせながら観ていたので、“それ”に対する憧れはあったんですけどね。いまだになんの経験もないままです」
相葉「撮影の時に小日向文世さんが、現場に置いてあった雑誌『ムー』を見ながら『これは僕のバイブルなんだ』と熱く語っていて、それを聞いていたら僕も“それ”を見てみたいなって思うようになりました」
中田「プロデューサーが徹夜して、千貫森で、光る物体の映像を撮ってきたんですよ。その映像は、本作のエンドロールに使われていますので、本物か偽物かは…映画館でぜひ確認していただきたいです。“それ”も幽霊もまったく信じていないのですが、本作の撮影はとても楽しくやらせてもらいました」
――お2人ともありがとうございました!ちなみに相葉さん、もし本当に“それ”に遭遇したら、映画のように立ち向かわれますか?
相葉「いいえ、一目散に逃げますね(笑)。周りに危害を与えないでくれたら少しは仲良くできるかも知れないですけど…まず逃げます!」
取材・文/久保田 和馬