ペネロペ・クルス&ペドロ・アルモドバル監督『パラレル・マザーズ』日本限定ポスタービジュアルが解禁!
<著名人コメント>
●鈴木敏夫(スタジオジブリ)
「美しいとはこういうことさ」
●高橋ヨーコ(フォトグラファー)
「ともに過去を共有し、未来の物語を紡いでいく家族。そんな彼らが複雑に絡み合えばあうほど、家族とはなんともシンプルな人間関係なんだと気付かされる」
●ホンマタカシ(写真家)
「アルモドバルとペネロペのタッグを見逃すのは、大好きな人が暖かい白飯と味噌汁を朝食に、せっかく用意してくれているのに、それをひっくり返すようなもんですよ(笑)」
●シトウレイ(ストリートスタイルフォトグラファー/ジャーナリスト)
「登場人物のファッションも、インテリアも映画の目作りもカラフルで見てて楽しいお洒落映画…かと思いきや硬派な政治史観や戦争問題だったりも織り込まれてて。なんていうかこれはある意味『おシャレ映画3.0』!」
●山崎まどか(コラムニスト)
「アルモドバルが描く愛の形が変化した。母と子、男と女、女と女の複雑な関係から、その背景にあるより大きな物語へ。いまの世代と連なる過去の人々への哀悼と惜別。このせつなさと深い悲しみは間違いなく彼の新境地だ」
●中野翠(コラムニスト)
「赤ちゃん取り違えという奇抜な話だけれど、ありえない話でもない。母性とは?血の絆とは?と考えさせられる。アルモドバル監督の美神、ペネロペ・クルスの衰えない美貌にも注目!」
●町山広美(放送作家)
「嘘さえマコトになりうる『愛の複雑怪奇』をタブーをものともせずに描いてきたアルモドバルが、白髪になった今問う、真実の重み。モラルや平穏よりも、真実を」
●石川三千花(イラストレーター)
「サスペンスフルに交差する2人のシングルマザー。彼女たちの深い情感を描きながらも、インテリアやファッションのこだわりを怠らないのもアルモドバル監督らしい」
●安野ともこ(スタイリスト)
「アルモドバル監督の、衰えることを知らない発想力と表現力に強い衝撃を受けました。全て記憶しておきたくなるような色使いのインテリアにも心奪われ、主人公ジャニスのラディカルで人間味溢れる存在感と見事に融合を遂げて、決してファンタジーの世界に誘われないところが絶妙。予測不可能な展開を遂げていくストーリー展開。二重三重に置かれた複雑な状況下に立たされても、常に正直で誠実で何事にも屈しないジャニスの生き方は実に清々しくたくさんの刺激をもらいました」
●柳原孝敦(東京大学教授)
「フランコ期に生を受け、民主化後のサブカルチャーの波の代名詞として頭角を現しながらも、これまで内戦のテーマを取り上げたことのなかったアルモドバルが、自らの国の歴史に自作『オール・アバウト・マイ・マザー』を組み込んで改作してみせた。これはペドロ・アルモドバルの新たな時代の始まりに違いない」
●芝山幹郎(評論家)
「メロドラマの器を借りつつ、手をかけた濃密なスープが作られている。煮込まれて溶け崩れた肉や野菜のエキスが、見る側の身体に沁みわたる。口当たりがよいのに味が深いのは、アルモドバルの魔術が働いているためだ」
●よしひろまさみち(映画ライター)
「母、女性、そして悲しい戦の負の歴史をテーマに、善の心、母性、過去の精算にアプローチ。難しい時代の今を生きる我々にも確実に通じるテーマを、アルモドバルの色彩で美しく魅せる」
●折田千鶴子(映画ライター)
「 “子どもの取り違え”のモチーフは多々描かれて来たが、今度はこう来たか!常に“貴方ならどうする!?”と突きつけられ、正解のない各々の母性、愛、本能、感情――がスリリングに交錯し、興味が尽きず目が爛々!監督の命題に、現在、過去、未来が映り込む」
●今祥枝(ライター、編集者)
「母親になるとは、母性とは、女性として生きるとは、どういうことなのか。女性というジェンダーをめぐる普遍的かつ正解のない問いに、スペインの暗い歴史を絡めて紐解いていくアルモドバルの独創的な語り口は唯一無二の魅力」
●立田敦子(映画ジャーナリスト)
「母国の黒歴史の真相を突き詰めようとする正義と、愛ゆえに真実から目を背ける弱さ。複雑な内面を抱えた女性を見事に演じきったペネロペ・クルスのベスト・パフォーマンス!母性というテーマをさまざまなアプローチで描き続けるペドロ・アルモドバルが、満を持して挑む人間の根源に迫る野心作。人は歴史からも出自からも逃れられない」
●青野賢一(文筆家、選曲家)
「作品の軸となるのは『母の物語』ですが、本作では母子の話から家系や共同体といったところまで展開して人の歴史が辿られており、同時に同性愛やレイプとネット社会のような最近のイシューが盛り込まれていることも相まって、過去、現在、未来へと連なる問題意識を共有するアクチュアルな一本と感じました。それを重々しく描くのでなく、アルモドバルらしい色彩感覚や設定を用いて軽やかな足取りに仕上げているのがいい」
●八木橋恵(ロサンゼルス在住ライター)
「時に歴史や真実は、残酷なまで人を丸裸にする。それでも明日を生きるために、服という鎧をまとい、運命と向き合う。『母』を通して描かれる家族の痛みと愛の物語が、ポストパンデミックの私たちに勇気をくれる!」
文/富塚沙羅