「ハロウィン」完結編が北米首位スタート!44年の因縁がついに決着|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「ハロウィン」完結編が北米首位スタート!44年の因縁がついに決着

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「ハロウィン」完結編が北米首位スタート!44年の因縁がついに決着

先週末(10月14日から10月16日)の北米興収ランキングは、ジョン・カーペンター監督『ハロウィン』(78)の続編シリーズ第3作にして完結編となる『Halloween Ends』が初登場1位を獲得した。まずは昨年の同週(ハロウィン当日のおよそ2週間前)に封切られた前作『ハロウィンKILLS』(21)の興行成績と比較していこう。

1作目から44年。「ハロウィン」シリーズがついに完結へ!
1作目から44年。「ハロウィン」シリーズがついに完結へ![c]Everett Collection/AFLO

前作の『ハロウィンKILLS』が公開された昨年10月は、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(21)と『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)のヒットによって北米映画界全体がコロナ禍からの回復に向けて大きく前進したタイミングだった。その利もあり、『ハロウィンKILLS』も初日から3日間で4940万ドルというオープニング成績を記録。

一方で今年はコロナの沈静化とは裏腹に、北米映画界は長い低迷の最中。直近の拡大公開作も2000万ドル前後のオープニング興収しか上げられず、時節的にもホラーの競合作品が多数。それでも『Halloween Ends』は初日から3日間で興収4005万ドルと、前作を下回る数字でありながらも悪くないオープニング興収をあげることに成功。ちなみに4000万ドルを超えるオープニング興収が記録されたのは、『NOPE ノープ』(22)以来およそ3か月ぶりとなる。

製作費の2000万ドルもすでに回収済みなので一安心といきたいところだが、やはり気になるのは作品の評判だ。ブラムハウス版「ハロウィン」シリーズは、第1作が非常に高い評価を得た一方で、前作は厳しい評価が目立つことに。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、今作への批評家からの好意的評価の割合は前作と同じ39%で、観客からの好意的評価は前作の66%から57%に下降。ハロウィン当日までにどこまで興収を伸ばせるかがポイントとなるだろう。


【写真を見る】オスカー主演女優賞レースの大本命が登場!1950年に起きた悲劇を描く『Till』に絶賛の嵐
【写真を見る】オスカー主演女優賞レースの大本命が登場!1950年に起きた悲劇を描く『Till』に絶賛の嵐[c]Everett Collection/AFLO

また前週紹介した『Triangle of Sadness』と『Tár』に続き、第95回アカデミー賞に向けた注目作が限定公開で存在感を発揮している。16館の限定公開で18位にランクインしたのは、実話を基にした『Till』だ。

1950年代に14歳の黒人少年がリンチされて殺害された事件を背景に、公正な裁判を求めて戦った母親メイミー・ティルの姿を描いた物語。「ロッテン・トマト」では批評家からの好意的評価の割合はなんと99%。とりわけメイミー役を演じたダニエル・デッドワイラーの演技に大絶賛の声が鳴り止まず、一気に主演女優賞レースのトップコンテンダーへと名乗りを上げた模様。

パク・チャヌク監督の最新作『Decision to Leave』も限定公開に大成功!
パク・チャヌク監督の最新作『Decision to Leave』も限定公開に大成功![c]Everett Collection/AFLO

そして23位には、わずか3館での上映ながら1館あたり32066ドルのハイアベレージを叩き出したパク・チャヌク監督の『Decision to Leave』が登場。カンヌ国際映画祭で監督賞に輝いたように作品評価は非常に高く、“第二の『パラサイト 半地下の家族』”となるか、大きな期待がかかるところだ。

文/久保田 和馬

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