銀河で反乱の蜂起が始まる予感…!肝心の主人公が向かった先は?「キャシアン・アンドー」第7話をレビュー
ディズニープラスで独占配信中の「キャシアン・アンドー」。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)で活躍した情報将校、キャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)を主人公に、彼のバックグラウンドと反乱軍の誕生の裏側を描いたファンの間でも話題沸騰中のドラマシリーズを、MOVIE WALKER PRESSでは、映画メディアの編集長やライターたちによるリレーレビュー連載で毎週追っていきます。第7話のレビューはライターの梅原加奈がお届けします。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
1話で「転」の役割を担う第7話。後半戦へと突っ走るために必要な要素が満載
もとより『ローグ・ワン』は誰でもない私たちの物語だ。デス・スターを作り上げた無名の技術者たち、薄汚い仕事を担ってきた反乱軍の影の存在。ライトセーバーを携えていなければ、偉大なるフォースの力も使えない。しかし、そんな名もなき者たちが、実は大きな物語を動かす礎となっていることを教えてくれた。私たちの生きる世界はそういう無名の物語の積み重ねでできていると。「キャシアン・アンドー」は、その考えをさらに深く実感させてくれる多重奏の物語だ。「スター・ウォーズ」世界にも、たくさんの“世界の片隅”があることを感じさせてくれる。
初回〜第3話ではキャシアンのルーツや炭鉱町のような惑星フェリックスを丁寧に描き、第4〜6話では彼が初めて“反逆者”として参加したミッションが展開された。シーズン1の起承転結でいえば、起と承だ。第7話は、1話で「転」の役割を担っていたのではないか。ここから後半戦へと突っ走るために必要なそれぞれの要素が詰め込まれていたように思う。
キャシアンたちが起こしたアルダーニの強盗事件は宇宙全域にそのニュースが駆け巡る。屈辱に震える帝国軍は、取り締まりを強化し失われた資金を人々へのさらなる重税で補填しようとする。彼らには文化や伝統などどうでもいいのだ。抵抗の火をつけた張本人であるルーセン(ステラン・スカルスガルド)は、皇帝パルパティーンの過剰な反応も計画の一部だと笑う。人は首をじわじわ締められたら気づかずに死ぬ。でもきつく締められたら抗うと。追い詰められた民衆たちによる反乱の蜂起は、もう目前なのだと感じさせる。しかし、その指導者となるモン・モスマ(ジェネヴィーヴ・オーライリー)はまだ元老院のいち議員にすぎず、偽りの自分を盾にしながら水面下での活動を続ける。「腹をくくった」と語る彼女の正念場もまたここからとなりそうだ。