ついに明かされる『ONE PIECE FILM RED』制作秘話!プロデューサー陣が振り返る、“100億円”の先への挑戦
尾田栄一郎の人気マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」の劇場版『ONE PIECE FILM RED』が公開以来、快進撃を続けている。2022年オープニング週末土日2日間動員数、興行収入ともにNo.1となりロケットスタートを切った本作は、映画動員ランキングにて初登場から11週連続で首位獲得後、これまでに13度首位に輝き、公開93日目には動員1350万人、興行収入180億円を突破した(12月18日発表)。
これまでのシリーズ最高興行収入は『ONE PIECE FILM Z』(12)の68.7億円。前作の劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』(19)が55.5億円で、以下『ONE PIECE FILM GOLD』(16)が51.8億円、『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』(09)が48億円と続いており、シリーズのなかでも本作は群を抜いたヒットとなった。
興収200億円突破も視野に入る興行展開となっているが、大ヒットの要因はどこにあるのか。『ONE PIECE FILM GOLD』、劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』に続き本作が3作目のプロデューサー作品となるフジテレビの梶本圭と、本作の音楽まわりを担当し、自身のポジションを“ウタのマネージャー”とたとえる集英社の高野健に話を聞いた。
「音楽に関して、尾田先生のこだわりが強いのは十分すぎるほど理解していた」(梶本)
――本作がここまでの大ヒットとなった要因はどこにあると感じていますか?制作経緯も含めてお聞かせください。
梶本「企画の立ち上がりの段階で尾田先生と話していたのは『今度こそ興行収入100億円到達!』でした。100億に到達するにはどうしたらいいのかを企画段階から頭に入れて動いてきました。尾田先生に制作総指揮、総合プロデューサーとして携わっていただいているのを最大限活かして、原作での“空白部分”をおもしろい物語にできないかというアイデアは出ていました。原作で描かれていないところは一体どうなっているのか。それぞれがアイデアを持ち寄り、尾田先生に入っていただいて話を作り上げるというスタイルが出来上がっていきました。
結局、本作がスタートしたのは2019年2月頃でしたね。実は、現在のお話になる以前にも半年かけて制作した脚本があったのですが、『これでは100億は狙えない』と更地に戻したこともあり、ギリギリのスタートでした。シャンクスとその娘の親子愛、そして“歌”をメインテーマとした構成脚本…。僕自身『ONE PIECE』が大好きで、物語のおもしろさはもちろん、長編エピソードごとに感動できたり、泣けるシーンがあることが愛され続けているポイントだと思っていたので、その点をストロングポイントとするのはとても良いと思いました。一方で、音楽に関しては尾田先生の強いこだわりは過去2作で十分すぎるほど理解していたので、監督からメインの要素として入れたいと伝えられた時には『大変なことになるぞ』と思いました(笑)」