「なにもできない『バットマン』のブルース・ウェインみたい…」漫画家アーノルズはせがわもハマった、ヘタレ紳士の「80日間世界一周」の旅! - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「なにもできない『バットマン』のブルース・ウェインみたい…」漫画家アーノルズはせがわもハマった、ヘタレ紳士の「80日間世界一周」の旅!

インタビュー

「なにもできない『バットマン』のブルース・ウェインみたい…」漫画家アーノルズはせがわもハマった、ヘタレ紳士の「80日間世界一周」の旅!

「フォッグは“なにもできない『バットマン』のブルース・ウェイン”みたい」

「ドクター・フー」などのデヴィッド・テナントがフォッグを演じる
「ドクター・フー」などのデヴィッド・テナントがフォッグを演じる[c]Slim 80 Days / Federation Entertainment / Peu Communications / ZDF / Be- FILMS / RTBF (Télévision belge)– 2021

本作の公式サイトに「本当に無謀でドロドロになりながら意地とプライドで突き進むフォッグから目が離せない」とコメントを寄せているはせがわ。フォッグのキャラクターについては、「予告映像を観た時は、スマートで賢くて、どんな苦難も切り抜けていく感じの人だと思っていました。ところが、本編を観進めていくと、フォッグが実はなにもできない人なんだというのがわかってくる、それがまたおもしろくて(笑)。なにしろパスパルトゥーからも、『この人は自分でお風呂にも入れない』とまで言われるんです。例えるなら、“なにもできない『バットマン』のブルース・ウェイン”みたいです。なんでも成し遂げそうな雰囲気を醸し出していて、でも、なにもできない」と笑う。

「実際、パスパルトゥーがいなかったら、旅を続けるのは絶対無理だったと思いますよ。フランスで荷物を盗まれたりして、もう旅に行くのを辞めちゃおうかな、と言いだすヘタレなところもある。本当にダメ人間で、周囲から臆病者と呼ばれた理由も全部つながっている。でも、そんなフォッグが終盤になるにつれてだんだんと頼もしくなって、周囲を見返していくので、観ていてワクワクしますね」。

フォッグのヘタレな部分が共感を呼ぶ(3/4)
フォッグのヘタレな部分が共感を呼ぶ(3/4)漫画/アーノルズはせがわ

そんなフォッグと自身が重なるところはあるのか?という質問をぶつけてみると、「ヘタレなところはシンパシーを感じますね(笑)。僕も旅行はするけれど、基本的に国内しか行かない。海外を見たいという気持ちはありますけど、怖い気持ちのほうが強いんです。治安などが気になってしまって。だから、フォッグの旅にはかなり感情移入できました。僕が同じ立場なら、旅の途中できっとナーバスになっちゃいますね」との回答が。

様々な災難に遭ってしまうフォッグ
様々な災難に遭ってしまうフォッグ[c]Slim 80 Days / Federation Entertainment / Peu Communications / ZDF / Be- FILMS / RTBF (Télévision belge)– 2021

「いまの時代だったら、パスパルトゥーはフォッグぐらいの財力は持てたんじゃないかな」

一方、フォッグのお供たちはどのように感じたのだろう?まず、従者のパスパルトゥーについては、「旅の途中でフォッグさんが体調崩して倒れたり、鞭打ちの刑に遭ったりするのですが、大体、パスパルトゥーが災難の原因なんですよ(笑)」と指摘する。そもそもパスパルトゥーはフォッグがメンバーの紳士クラブで給仕係として働いていたフランス人で、謎めいたところもある人物。訳あって逃亡することになりフォッグが急募した従者になりすまして世界一周に参加することに。

クラブで給仕係として働くフランス人で、フォッグの従者として旅に同行するジャン・パスパルトゥー
クラブで給仕係として働くフランス人で、フォッグの従者として旅に同行するジャン・パスパルトゥー[c]Slim 80 Days / Federation Entertainment / Peu Communications / ZDF / Be- FILMS / RTBF (Télévision belge)– 2021

「彼はとても機転が利いて、英語、フランス語、広東語など、何か国語も操ることができます。また、ムードメーカーで、チャーミング。仕事もデキる人だから、もしもいまの時代だったら、フォッグぐらいの財力は持てたんじゃないかなと思います。ただ、あの時代の黒人の方の置かれていた状況を考えると、フォッグやアビゲイルのように自由な立場ではないし、偏見や差別も受ける。そこはせつないですね」。

「もしも娘が大きくなって世界一周に行くと言ったら、かなり心配…」

もう一人の同行者であるアビゲイルは、フォッグの親友でもある父親のバーナード(ジェイソン・ワトキンス)が経営者兼編集長を務めるデイリー・テレグラフ紙の女性ジャーナリスト。記者としての成功を望んでいるが、なかなか認めてもらえず、書いた記事を男性名義で掲載され父親と大喧嘩する。これがフォッグの旅に参加するきっかけになる。

「アビゲイルはとても進歩的な女性であるがゆえに悩みを抱え旅に同行します。道中では父親の後ろ暗い過去を知ってしまったり、ジェーン・ディグビーという実在した恋多き女性に対して世間の風評だけで偏見を抱いたりします。アビゲイルが様々な人と出会いながらジャーナリストとして成長していくのを見るのも楽しいです」。

デイリー・テレグラフ紙の女性ジャーナリストで、フォッグの旅をリポートするアビゲイル・フィックス
デイリー・テレグラフ紙の女性ジャーナリストで、フォッグの旅をリポートするアビゲイル・フィックス[c]Slim 80 Days / Federation Entertainment / Peu Communications / ZDF / Be- FILMS / RTBF (Télévision belge)– 2021


実生活では2歳の娘の父親でもあるはせがわは、娘との日常エピソードも漫画にしているが、そんな彼から見て、アビゲイルの冒険、そして父との関係は特別なものに映ったらしい。「父親目線から見ると、あの時代に女性が世界一周の旅に行くというのは無謀で危険。止めたくなる気持ちはわかります」と父親バーナードに共感した部分も多い。そして、「時代は違うけど、もしも娘が大きくなって世界一周に行くと言ったら、かなり心配ですね。世界を見るのはいいけど、僕だったら、“どういう計画で行くのか?”をまず聞きますね」と語り、どうしても心配が大きくなってしまうようだ。

旅を続けていくなかで絆も芽生えていく3人
旅を続けていくなかで絆も芽生えていく3人[c]Slim 80 Days / Federation Entertainment / Peu Communications / ZDF / Be- FILMS / RTBF (Télévision belge)– 2021
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■アーノルズはせがわ
漫画家。日常の育児エピソードや、映画ドラマの感想の漫画をほぼ毎日Twitter上に発信している。著書に、「ヘアドロップ」(KADOKAWA/メディアファクトリー)など。
公式サイト:https://arnoldshasegawa.blog.jp/
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