K-POP女王BoAの主演作から「イカゲーム」俳優のコメディまで…日本未公開韓国映画発掘の秘訣を探る!
『治外法権』イム・チャンジョン×チェ・ダニエル、問題刑事の凸凹コンビが大活躍!
佐藤「続いて、がらりと雰囲気の違う犯罪アクションの『治外法権』です。問題ばかりを起こしているはみ出しものの警察官2人が、政治家と癒着した巨大宗教団体に挑んでいくという内容です」
飯森「この巨悪がすごい。とにかく、深くは申せませんが『観ていただければわかる!』と言いたいです(笑)」
佐藤「刑事と推理マニアが組む『探偵なふたり』シリーズや、南北の刑事が協力する『コンフィデンシャル/共助』シリーズなど、凸凹コンビが活躍する映画は韓国でも多いですね」
飯森「本作でコンビを演じるイム・チャンジョンとチェ・ダニエルは2012年に『共謀者』というスリラーでも共演しています。そちらは陰惨な作品でしたが、今回は底抜けに明るい映画で、仲のよさを感じました」
佐藤「2人共、かなりはちゃめちゃなキャラクターで…」
飯森「ダニエルは二枚目俳優で、この映画ではセックス依存症で何度も処分をくらっている刑事役。彼が出演した『シラノ恋愛操作団』は、2000年代後半に日本で韓国のラブコメディが流行って集中的に紹介された最後の時期に現れた作品ですね。本当にいい映画でした」
佐藤「私も大好きな作品です」
飯森「一方で、チャンジョンが演じているのはFBI出身の暴力刑事。プロファイラーという設定ですが、まったくプロファイリングはしません(笑)。彼のコメディも昔から本当に好きで、人情味のあるものや『セックス イズ ゼロ』みたいな艶笑コメディなど、おもしろかったですね。チャンジョン自身が歌手として活躍しているほか、アイドルもプロデュースするなど、多方面で活躍中です。そんな人が、こんなにセンセーショナルな作品に出ているのかと驚きます。『時間がないならこれだけは観てくれ、シャレになってないから!』という映画ですね。この作品を選んだ理由もそこです」
『パンチ・レディ』DV夫を叩きのめすために妻がリングに立つ、韓国女性映画の先駆的な1作
佐藤「格闘家である夫からの暴力に耐えかねた女性が、トレーニングを重ねて彼と真剣勝負をするという『パンチ・レディ』は、コメディなのかな?と思って観始めたら、思いのほか、シリアスなアクションものでした。2007年製作と少し古いものになりますが、選ばれたポイントはどんなところにあったのですか?」
飯森「韓国の様々なコンテンツのなかでも、いま、日本で一番注目されているのは『82年生まれ、キム・ジヨン』や『はちどり』、『野球少女』に代表される女性の権利や生きづらさを題材にした韓国フェミニズム作品群です。そうした社会的なテーマをかなり早い時期に扱った作品なので、タイムリーだなと思ってピックアップしました。カン・ヒョジン監督はこのあとも、『ミス・ギャングスター』や『ミス・ワイフ』といった、女性が主人公の作品を手掛けています」
佐藤「映画の前半に登場するDVの描写はかなり直接的なので、覚悟して観ていただく必要があるかもしれませんね」
飯森「かなりきついですね…。ただ、後半へと進むにしたがって、『ロッキー』風の音楽をかけながら階段を登ってトレーニングをしたり、コメディ要素も結構ありますから全体としては楽しく観ていただけると思います。主人公の娘役で、2019年に惜しくも亡くなってしまった元f(x)のソルリが、あどけない姿を見せています」
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