「チェンソーマン」も話題!「呪術廻戦」「進撃の巨人」「ユーリ!!! on ICE」を手掛けてきたMAPPAの10年と魅力に迫る

コラム

「チェンソーマン」も話題!「呪術廻戦」「進撃の巨人」「ユーリ!!! on ICE」を手掛けてきたMAPPAの10年と魅力に迫る

エッジの効いたオリジナル作品をいくつも発表

原作ものだけでなく、MAPPAはオリジナルアニメも数多く手掛けている。「残響のテロル」は、ある目的のために爆弾テロを引き起こそうとする少年ナインとツエルブ、それに巻き込まれていく三島リサの姿を描いたサスペンス作品。核やテロなどの社会問題に切り込んだストーリーが物議を呼んだ。一転、シュールなコメディ「パンチライン」のような作品も生みだし、音楽と劇中歌を小室哲哉が担当したことでも話題に。また、フィギュアスケートの世界を題材にした「ユーリ!!! on ICE」では、漫画家の久保ミツロウが原案・脚本・キャラクターデザインを手掛けている。羽生結弦ブームとの相乗効果で瞬く間に人気作となり、平昌オリンピックで須崎海羽と木原龍一のペアが同作の劇中曲を試合で使用するなど、現実のフィギュアスケート界にも影響を及ぼした。このほか、佐賀県を舞台にゾンビとなった少女たちがアイドルとして活躍する「ゾンビランドサガ」シリーズなどもあり、エッジの効いた視点もMAPPAの持ち味だと言えるだろう。

「チェンソーマン」にも生かされた躍動感ある動きと音楽


MAPPAは原作コミックのコマとコマの間を描くことにも長けている。例えば、「いぬやしき」での機械の体となった犬屋敷壱郎のメカの動きや「呪術廻戦」での目に見えない”呪い”の表現、「進撃の巨人 The Final Season」における立体機動の動きなど、原作では描ききれなかった部分を補強し、魅力をさらに引き出している。さらに、テーマソングにも定評があり、「BANANA FISH」でKing Gnu、「呪術廻戦」ではEve、「いぬやしき」にはMAN WITH A MISSIONを起用しヒット曲を誕生させてきた。

それらの手腕は最新作「チェンソーマン」でも発揮されている。主人公のデンジ(声:戸谷菊之介)たちが繰り広げる様々な悪魔とのバトルは躍動感にあふれ、米津玄師が作詞・作曲し歌うオープニング映像では、キャラクターがコミカルに踊る様子も。また、劇中歌をマキシマム ザ ホルモンが、エンディングテーマに関しては、Vaundy、ずっと真夜中でいいのに。、TOOBOE、anoらが担当し、毎回変わっていくという力の入りよう。第8話以降にもEve、Aimer、女王蜂、TK from 凛として時雨らが控えており、本編と同じくらい注目したいポイントになっている。MAPPAならではの技術力と表現力が注ぎ込まれた「チェンソーマン」から引き続き目が離せない!

文/榑林史章

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