批評家が選ぶ、ジョディ・フォスターの代表作ランキング!“フレッシュ”なおすすめ10選は?

コラム

批評家が選ぶ、ジョディ・フォスターの代表作ランキング!“フレッシュ”なおすすめ10選は?


最も高い評価を獲得したのは、マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロがタッグを組んだアメリカン・ニューシネマの傑作『タクシードライバー』の96%フレッシュ。いまなお多くの作品でオマージュを捧げられるなど、後の映画界のみならずカルチャー全体に絶大な影響を与えた同作については、改めて説明する必要はないだろう。

『タクシードライバー』が96%フレッシュを獲得!
『タクシードライバー』が96%フレッシュを獲得![c]Everett Collection/AFLO

ここでフォスターが演じたのは、デ・ニーロ演じるトラヴィスが出会う売春で生計を立てている少女アイリス役。公開当時まだ13歳だったフォスターは、この役柄で一気に注目を集めアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。そこから本格的に女優街道を突き進むかと思われたが、このセンセーショナルな作品と役柄に影響された偏執的なファンが引き起こした事件によってブレーキがかけられる。それでもこの作品がフォスターの大きな転機になったことは言うまでもないだろう。

上位10作品のリストには、『タクシードライバー』以前の出演作もいくつか含まれている。スコセッシ監督と最初にタッグを組んだ『アリスの恋』や、主演を務めたサスペンス映画『白い家の少女』。そして『タクシードライバー』と併せて英国アカデミー賞助演女優賞に輝いたミュージカル映画『ダウンタウン物語』。どの作品でも子役らしからぬ圧倒的なオーラを放ち、すでに大女優の片鱗が見える。

フォスターといえばやはりこれ!『羊たちの沈黙』は95%フレッシュ
フォスターといえばやはりこれ!『羊たちの沈黙』は95%フレッシュ[c]Everett Collection/AFLO

92%フレッシュを獲得した『告発の行方』で性被害者の女性を演じアカデミー賞主演女優賞に輝いたフォスターは、その3年後にキャリアを大きく変える代表作とめぐりあう。トマス・ハリスの小説を原作にしたサイコサスペンス映画『羊たちの沈黙』で、アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターに協力を求めるFBI訓練生クラリス・スターリングを演じたフォスター。2度目のアカデミー賞主演女優賞に輝き、名実ともに不動の地位を確立。同年には『リトルマン・テイト』(91)で監督デビューも飾った。


『羊たちの沈黙』以後も『ネル』(94)や『コンタクト』(97)などで賞レースに参戦した作品はあるが、いずれも受賞には至らず。それでもコンスタントに出演作を重ね、ジャンルも文芸大作からSF、アクション、コメディ、さらにはアニメーションの声優などさまざま。78%フレッシュを獲得した『ロング・エンゲージメント』ではフランス映画にも進出。76%フレッシュを獲得したデヴィッド・フィンチャー監督の『パニック・ルーム』では、強盗に立ち向かう母親役を熱演。共演者の豪華さも含め、必見の一本だ。

強盗と戦う母親を熱演した『パニック・ルーム』
強盗と戦う母親を熱演した『パニック・ルーム』[c]Everett Collection/AFLO

2010年代に入ってすぐ、監督業に専念するために一度引退宣言をしたフォスター。出演ペースは落ちたが、直近の『モーリタニアン 黒塗りの記録』(21)では人権派弁護士を演じゴールデン・グローブ賞助演女優賞を受賞。ロッテン・トマトでも75%フレッシュを獲得する高評価を集めた作品で、大女優の復活をアピールした。現在はオスカー受賞作『フリー・ソロ』(18)の制作チームがメガホンをとり、アネット・ベニングリス・エヴァンスらと共演する『Nyad』が待機中。俳優として監督として、今後どんな活躍をみせてくれるのか注目だ。

文/久保田 和馬

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