太田光、自身に足りないのは“慎重さ”「クライマーだったら死んでいる」太田節交えながらドキュメンタリーの魅力熱弁!

イベント

太田光、自身に足りないのは“慎重さ”「クライマーだったら死んでいる」太田節交えながらドキュメンタリーの魅力熱弁!

お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、TBSが立ち上げたドキュメンタリー映画の新ブランド「TBS DOCS」のチェアマンに就任。11月21日に秋葉原b-bump Tokyoで行われた大発表会イベントに出席し、「イメージアップに努めたい」と太田節で意気込みを語った。

「TBS DOCS」チェアマン就任・大発表会が開催された
「TBS DOCS」チェアマン就任・大発表会が開催された

「TBS DOCS」は、1955年の開局以来、日々のニュースやドキュメンタリー番組を放送し続けてきたTBSが、ドキュメンタリー映画を発信していくために設立したブランド。この日は、太田が「TBS DOCS」作品の秋冬ラインナップと「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」の開催を発表した。

チェアマンに就任した太田は「チェアマンということで、私も名前を“川渕”と変えさせていただきます」と冒頭挨拶からボケ全開で、「いまTBSは開局以来の危機に瀕しています。なんとかこれで盛り上げていきたい」と太田節で意気込みのコメント。さらに「#太田光をテレビに出すな。こんなこともありました。なんとか挽回したい。イメージアップに努めたい」と自虐発言で会場を笑わせていた。

チェアマンに就任した太田光
チェアマンに就任した太田光

前回の「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」ではアンバサダーを務めていた太田だが、数々の作品を鑑賞するなかで、改めてドキュメンタリーの魅力を実感しているという。秋冬ラインナップとして紹介されたのが、『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』(11月25日公開)、『戦場記者』(12月16日公開)、『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』(2023年2月24日公開)の3作品。太田は、『人生クライマー 山野井泰史と垂直の世界 完全版』の劇中で壮絶な生き様を魅せている“伝説のクライマー”山野井泰史とは、同い年だという。

世界の巨壁に挑み続けている山野井の生き様を目の当たりにして、「世の中にはこんな人生を送っている人がいるんだという、その存在だけでびっくりする」と刺激を受けたそうで、「我々は普段悩んだり(しながら生きて)、特にマスコミをやっていると世の中のいろいろなことと繋がりながら、俺なんかはネットで炎上しながら悩んだりしているけれど、そういう社会とはまったく別のところに人間がいて、そういうことと関係ない生き方をしている人がいる」としみじみ。「山野井さんとは同い年だけれど、ここまで人生が違うかと。どれだけ俺はぬるま湯のなかで生きてきたのかと改めて思い知りました。ちょっと話してみたいです」と自分とはまったく違う人生を送る山野井への興味を語った。


フリークライマーの大場美和
フリークライマーの大場美和

また会場には、フリークライマーの大場美和も出席。大場は「山野井さんはソロという、一人で登るクライミングスタイル。その密着をするのは本当に難しいこと」と口火を切り、「(武石浩明)監督さんも登山をするということで、山野井さんと関係を築いて、その挑戦を追って映像に残してくださったことは、すごく価値のあること。25年間という長い期間を密着して、完全版には直近の映像も付け加えられている。山野井さんの考え方の変化や、変わらない部分もすごく感じられた。一人のクライマーの歴史を感じられる作品」と熱弁した。

太田光のトークに大場美和も笑顔
太田光のトークに大場美和も笑顔

太田も共鳴する部分があった様子で、「最初はこんなに無謀な人がいるんだという印象だったけれど、見ていくうちに無謀とは一番遠いところにいる人だと思った」と吐露。「無謀なチャレンジをしているようで、実は慎重で『これ以上行ったら死ぬだろう』というところを見極めて、自分のレベルをちゃんと把握している。無謀だと思っていたものが、ものすごく慎重な人なんだというふうに、気持ちが変わった」という。さらに「この人は確実に行けるところに行くから、いま生きているんだと思った。自分と照らし合わせると勉強になる。僕はどうしても…」と悩みを口にして、会場も爆笑。司会を務めたTBSの良原安美アナウンサーから「たしかに太田さんは、ちょっと慎重になったほうがいい場面も」とチクリと刺されると、太田は「そうなんです!俺がもしクライマーだったら絶対に死んでいるなと。俺は炎上するくらいで済むけれど、そこが違う。(山野井は)感情的になることがない。いつも冷静でしょ。俺はどうしてもそこがね、ダメなところですね」と反省を交えながら、山野井の歩み方を称えていた。

【写真を見る】フリークライマーの大場美和が見事なクライミングを披露!
【写真を見る】フリークライマーの大場美和が見事なクライミングを披露!

会場では、大場によるクライミング実演も行われた。見事に登りきり、天井に設置されたくす玉を割った大場。「腕の力だけでいくんだもんね」「うわー!すごい!」と大場のクライミングに驚いた太田は、「練習して挑戦してみたいなという気持ちになる」とにっこり。最後には改めて「TBS DOCS」秋冬ラインナップの魅力に触れ、「人にはそれぞれの生き方があって、日本だけでもいろいろな人がいるんだなと感じられる。コロナ以降イヤなことばかりだけれど、それでも生きていくという人たちばかりが出てくる。自分も頑張ろうという気になれるんじゃないか」と語るなど、ボケを交えながらも熱くドキュメンタリーの魅力をアピールしていた。

取材・文/成田おり枝

関連作品