原作では語られない物語が!「SLAM DUNK」テレビシリーズアニメの劇場版4作品をプレイバック
メガネくん大活躍!失意の湘北メンバー復活のきっかけとは?
1995年3月に公開された『スラムダンク 湘北最大の危機! 燃えろ桜木花道』は、海南高校戦とその翌週の武里高校との試合の間の期間で行われた、原作ではいっさい語られていないとある練習試合の様子が描かれている。
海南との試合に敗れ、意気消沈の湘北メンバー。なかでも自分のパスミスで負けたことを後悔する花道は、髪型を坊主にし、気合を入れ直していた。海南戦を引きずるメンバーに刺激を与えるため、新設の緑風高校との練習試合を組む安西監督。しかし主将の赤木をケガで欠く湘北は、マイケル沖田(声:古川登志夫)ら全国から集められた実力者相手に苦戦を強いられてしまう。
“メガネくん”こと木暮が意識を失うほどの体を張ったプレーでチームを鼓舞する姿を見せ、のちの陵南戦での活躍をほのめかす伏線が張られているこの試合。また桜木が、ケガをおして出場した赤木へのアシストを決めて試合が終わるなど、海南戦の失敗を乗り越える描写もあり、前後をつなぐ意味のある1作となっている。
流川の魅力が光る、インターハイ直前のとあるエピソード
そして1995年の夏に公開された4作目『スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!! 花道と流川の熱き夏』は、原作ではインターハイ予選を勝ち抜いたあとから本大会に向けた1か月間で起きたあるストーリーが語られる。
本作の主人公は、湘北のエースである流川(声:緑川光)の中学時代の後輩、水沢イチロー(声:石田彰)。彼は膝の病で手術が必要で、バスケ選手生命を断たなければいけなかった。そんな時、最後に「流川とバスケがしたい」というイチローの願いを叶えるべく、姉の茜は中学時代の同級生、晴子に相談。紅白戦という形でプレーが実現する。
原作との直接的なつながりはないが、キャラクターの魅力が深掘りされている今作。特に流川はイチローと同じチームになることを拒否して敵としてプレーしたり、試合後は無言でシャツを渡したりと、無骨だが仲間想いで熱い一面が際立っていた。
『THE FIRST SLAM DUNK』では、これらのように原作の空白が描かれるのか。それとも原作での名場面が描かれるのか。これまでの4作はどれも30分ほどと観やすいので、ぜひチェックしてみてほしい。
文/サンクレイオ翼