「スター・ウォーズ」を思わせる師弟対決が心を打つ「ウィロー」第3話をレビュー!魔法の力が解き放たれる…
ウィローが魔法を解き放つ!クライマックスのバトルはドラマティック
エピソードタイトルでも示されているとおり、クライマックスには“へべれけ子羊の宿”があった場所でバランタインら黒魔術にかかってしまった騎士とウィローたちとの戦いが待っている。大雨が降りしきるなかで展開される死闘には、前作のクライマックスの戦いでも雨が降っていたことを思い出す。
この戦いが始まると、バランタインとジェイド(エリン・ケリーマン)の師弟関係の物語が輝き始める。王国への忠誠心から訓練の最中に手を抜いてわざと負けていたことがバレてしまい、キットとの間にぎくしゃくした空気が流れていたジェイド。親友との間に生じたわだかまりを抱えたまま彼女は、ダークサイドに落ちきったバランタインと剣を交える。その光景は、オビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーの戦いをはじめとした「スター・ウォーズ」における幾多の名勝負を彷彿とさせる。
勝負が決するタイミングで、敗れたバランタインはジェイドに「強くなったな」と師としての顔を取り戻し、「お前が歩んできた道は、いまのためにある」と告げる。そしてジェイドは涙ぐみながらとどめを刺す。これまで一歩引いた位置でキットに仕えていたジェイドに、このシリーズで最初の劇的な場面を背負わせるなんて。その意外性とせつなすぎる師弟対決の幕切れは、いかにもルーカスフィルムらしい巧妙さだ。
一方、老いへの葛藤を抱えていたウィローは、相棒のサイラスの仇を取るようにしてようやく魔法の力を解き放つ。強い怒りが込められたあまりにも強烈なパワーは、バランタインらを一撃で吹き飛ばす。これは確かにかなりの体力を消耗しそうだ、ためらうのも無理はない。とはいえこれまでのバトルシーンは剣術アクションが中心となっていたが、ここでついにお目見えした魔法の力。この両方が一つの戦いで味わえるとなれば、“ウィローらしさ”がいっきに高まってくる。
そして一行の向かう先に見えてくるのはノックマール城。そう、前作で悪の女王バヴモルダが住んでいた城であり、前作のクライマックスの舞台となった場所だ。そこでウィローたちになにが待ち受けているのだろうか…。前半戦のクライマックスとなる、次回第4話の配信が待ちきれない!
文/久保田 和馬