仁義なき(メイドたちの)戦い…萌えと血しぶきに満ちた「アキバ冥途戦争」の攻めすぎな魅力
時は1999年の世紀末。メイド喫茶で働くキラキラしたメイドたちに憧れて秋葉原にやって来た少女が、メイド同士の血みどろの抗争に巻き込まれていく…。概要を説明するだけでもそのぶっ飛び具合に頭がくらくらしてしまいそうなこの作品は、TOKYO MXほかで現在放送中のテレビアニメ「アキバ冥途戦争」。CygamesとP.A.WORKSによるオリジナル作品で、「萌えと暴力について」というキャッチコピーの通り、毎話のように次々と登場人物が壮絶な死を遂げていく。最終回の放送を控えるこのタイミングに、改めて本作の“ヤバさ”を再確認してみたい。
かわいいメイドになることを夢見て秋葉原へ上京してきた和平なごみ(声:近藤玲奈)は、寂れた雑居ビルの一室にあるメイドカフェ「とんとことん」に住み込みで働き始める。勤務初日から店長(声:高垣彩陽)に命じられ、同時に入店した万年嵐子(声:佐藤利奈)と共にライバル店の「チュキチュキつきちゃん」に手紙を届けることに。
無事に仕事を終えたかに思えたなごみたちだったが、手紙にはチュキチュキつきちゃんへの宣戦布告文が記されており、激昂した同店の店長(声:竹達彩奈)に何度もビンタされるなごみ。その時、おもむろに拳銃を取り出した嵐子が店長の額を打ち抜くと、怒り狂うほかのメイドたちも次々と射殺し、チュキチュキつきちゃんを壊滅させてしまう。かくして、ごく普通の少女だったなごみは、金や権力を巡って争うアキバのメイドたちの真の姿に直面するのだった。
アキバの主権を巡るメイドたちの戦い…
本作におけるメイドたちは、表向きはかわいいメイド服に身を包み、ご主人様&お嬢様(=お客)をおもてなしし、時にはライブパフォーマンスも行うイメージ通りの職業。しかし、その裏では店同士の激しい対立や縄張り争いがあり、おひねりちゃん(=上納金)を所属するグループへ納めないといけないなど、反社会的な組織のように描かれている。なごみたちが働くとんとことんは秋葉原最大手のメイドカフェグループ「ケダモノランドグループ」の所属ながら、売上成績が悪く、ノルマのおひねりちゃんも納められないために、グループの最下層に位置している。そこへ、15年前のある事件がきっかけで服役していた訳ありの嵐子がメイドに復帰し、なし崩し的にライバルグループ「メイドリアン」のチュキチュキつきちゃんを潰してしまったことから、アキバの主権を巡る抗争が激化していく。