“ゲス顔”もかわいいアーニャ!テレビアニメ「SPY×FAMILY」の多彩な魅力を再確認
“ゲス顔”や「がーん」の表情で視聴者を夢中にさせるアーニャ
物語のキーパーソンであるアーニャは超能力少女。スパイアニメが好きで、孤児院を訪れたロイドの正体がスパイだとわかると自分の年齢を偽ったり、知能が高いように見せかけたりして彼の養女になる。アーニャの魅力はそのかわいらしいキャラクターにあるが、なんといっても印象的なのは表情の豊かさ。大きな瞳にピンクの髪という容姿はまさに美少女なのに、とんでもなく“ゲス”な顔をすることも多い。
特に、作戦の標的であるデズモンドの次男、ダミアン(声:藤原夏海)に絡まれた際に、怒りを抑えながら繰り出した笑顔は「よゆうのえみ」と呼ばれるほどの破壊力。アーニャの“ゲス顔”の代名詞となった。そのほかにも犬に怯えたり、誘拐犯にさらわれかけて大泣きしたり、アーニャのポンコツぶりに「やはり別の子をもらえばよかったか…」と思案するロイドの心を読み取った際の「がーん」の表情など、常に変わり続ける豊かな感情表現が視聴者を笑わせ、種崎敦美の硬軟取り混ぜた演技と相まって、作品に引き込んでいく。
またアーニャは、超能力を使ってロイドを助けることもある。機密情報が入ったフィルムを飲み込んだペンギンを捜しだすミッションでは苦しそうに呼吸をしているペンギンを見つけだし、ウェスタリスの政治家を暗殺しようとしたテロリストを止めるミッションでは、人知れずロイドの命を守ったことも。子どもながらに東西平和のために頑張る姿も、アーニャの魅力の一つだろう。
スパイ作品らしい、華麗なアクションもスパイスに
「SPY×FAMILY」というタイトルからは想像しにくいコメディ性の強さを持つ本作だが、ロイドやヨルのシリアスな顔が垣間見えることも。ヨルたちとの生活のかたわら、〈黄昏〉として任務をこなすロイドは様々な敵と対峙することも多く、軽やかながら派手さのあるアクションでピンチを切り抜けていく。殺し屋であるヨルも、その高い身体能力で華麗なアクションを披露する。スパイ映画をイメージしたサウンドとアニメーションならではの美しくも躍動感あるアクションシーンが、普段のほのぼのとした家族生活とのギャップを生み、視聴者を“ワクワク”させてくれるのだ。
任務を全うするだけだったロイドの心にも変化が…?
偽りの家族を続ける3人だが、共に暮らすうちに利害を超えた感情が芽生えているようにも見え、お互いの好きなものを知り、誰かが傷つけられれば本気で怒ったりもする。スパイであるロイドにしてみれば、褒められた行為ではないかもしれないが、彼がヨルとアーニャのことを大切に気遣う姿に、自然と心が温かくなる作品でもある。
テレビアニメの放送は12月24日の第25話で最終回を迎えたが、未見の方は各動画サービスにて好評配信中のため、是非そちらでご覧いただきたい。
本年はSeason2の放送が決定しているほか、完全新作ストーリーの劇場版『SPY×FAMILY』(仮)の公開やミュージカル化も予定されている。ロイドたちが送る日々の暮らしはもちろん、作戦の行方も気になるところ。今後の展開からますます目が離せない!
文/藤堂真衣
※種崎敦美の「崎」は立つ崎が正式表記