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まるで家族のよう!チーム「Dr.コトー診療所」による笑いと愛があふれる座談会「僕を救ってくれた作品」

インタビュー

まるで家族のよう!チーム「Dr.コトー診療所」による笑いと愛があふれる座談会「僕を救ってくれた作品」

「『Dr.コトー』は、“純くんの呪縛”から僕を救ってくれた作品でもあるんです」(吉岡)

――『Dr.コトー診療所』は皆さんのなかで、どんな存在でしょう。この16年の間、どういう瞬間に思い出したりしましたか?

2003年にスタートした「Dr.コトー診療所」シリーズ(2003年版ドラマ「Dr.コトー診療所」)
2003年にスタートした「Dr.コトー診療所」シリーズ(2003年版ドラマ「Dr.コトー診療所」)

監督「時折、吉岡さんと飲んだりしていたのですが、そういう時、吉岡さんが『コトー先生、自転車にまだ乗っているかな』みたいなことをポロッと言うんですよ。『(島の)みんな、どうしてるかな』とか」

吉岡「いいえ、それ監督が言ってましたよ!」

監督「僕が呼び水、というかね(笑)。ただ僕は、周りから『コトー』が代表作と言われることが多かったのですが、自分ではそんな風に思っていなくて。これ以外にも数多く撮っているぞ、と。でも今回、映画をやって、やっぱり『コトー』には自分のルーツがあるんだな、とすごく感じました」

大塚「私は、キャストの方がほかの作品に出られているのをお見かけすると、『彩佳ちゃんだ』『コトー先生だ』とか、どこか頭の片隅では思ったりしていました。ほかの作品とは、やっぱり少し違う想いがありますね。周りから『すごくいいドラマだった』と言っていただくことも多くて、大変だったけれど本当にいい作品と出会えてよかったな、と思っていました」

柴咲「すでに16年も経っているので、自分としては、彩佳はもう別人みたいなものなんです。それでも、いい作品だなってしみじみ思うし、出られてよかったな、恵まれていたな、ってやっぱり思いますね」

「Dr.コトー」シリーズに「出られてよかった」と語る柴咲コウ
「Dr.コトー」シリーズに「出られてよかった」と語る柴咲コウ撮影/河内彩

「『Dr.コトー』は、“純くんの呪縛”から僕を救ってくれた作品」と語る吉岡秀隆
「『Dr.コトー』は、“純くんの呪縛”から僕を救ってくれた作品」と語る吉岡秀隆撮影/河内彩

吉岡「僕はよく『続編やらないんですか?』って聞かれていたんです。『コトー』以前は、『北の国から』や『寅さん』の続編やらないのか、と聞かれてましたが、一番聞かれたのが、『Dr.コトー』でした。そのたびに、コトー先生がフッと頭によぎるんです。『いま往診中かな?』『まだ和田さんは手伝ってくれてるのかな』『彩佳さんとはどうなったかな』と。しかも『Dr.コトー』は、強烈なイメージを長く引きずっていた“(『北の国から』の)純くんの呪縛”から、僕を救ってくれた作品でもあるんです。五島健助という1人の医師が、僕に役者としての新しい命を新吹き込んでくれたので、とっても大事な役でもありました。本当に大変な想いをして作った作品でもあるので、中江監督が『またコトー先生に会いたい』と言うたびに、またあそこに戻れるのか、またできるだろうか、ということは常に考えていました」

筧「こういう映画公開記念とかじゃなくても、『Dr.コトー』の再放送ってよくやっていたんですよ。午後4時ぐらいに焼き豚屋で、急に再放送が始まって、『おお!』って驚いて顔を隠したりして(笑)。また僕の兄貴が、すごい『Dr.コトー』好きで、実家に帰るたび『お前、あれはいいぞ。ああいう作品に出なきゃダメだ』って延々と言うんです。そういう時も、よく思い出していましたね。当然、僕にとって『Dr.コトー』は本当に大きな存在で。というのも、すごい視聴率がよかったので、出たあと、仕事環境がとてもステキなことになりました!特に2006版のあとは、CMが決まるわ、じゃじゃんじゃんバリバリでしたよ(笑)。苦労した甲斐あったな、みたいな」

軽快な語り口で「Dr.コトー診療所」の思い出を明かした筧利夫
軽快な語り口で「Dr.コトー診療所」の思い出を明かした筧利夫撮影/河内彩

一同「(爆笑)」

泉谷「こうして映画が完成しちゃうと、いろんな苦労も忘れそうだな。いままでずっとネガティブなことばかり言ってきたけど、もう褒めるしかないよ。本当に『Dr.コトー診療所』ならぬ『Dr.コトー、死んじゃうよ』ってくらい大変な目にあったんだけどさ」

一同「(爆笑)」

吉岡「それ、最高ですね(笑)!」

泉谷「それでも、上がり(完成版)を観ちゃうとすばらしい。中江監督という大きな愛がスゴイな、って。やっぱり各役者が全部“生きている”んですよ。本当に指先の動きまで、愛情を持って描いてるんですね」

小林「作品には愛情を持ってるけど、監督が役者に愛情を持ってるかは微妙だなあ」

一同「(爆笑)」

笑いの絶えない座談会に!
笑いの絶えない座談会に!撮影/河内彩

2003年から築き上げてきた絆による、監督、キャストたちの気のおけない関係性が見て取れた
2003年から築き上げてきた絆による、監督、キャストたちの気のおけない関係性が見て取れた撮影/河内彩

監督「ちょっといま、すごくいい話を…」

泉谷「いや、あの過酷なスケジュールはなんなんだ!」

吉岡「あ、急に態度が変わっちゃった(笑)!」

柴咲「いま、監督のこと褒めてたのに(笑)」

大塚「すごくいいこと言ってたよね(笑)」

吉岡「流れを変えるの、簡単だなあ(笑)」

泉谷「やっぱり監督の顔を見ると、『この野郎!』って思うんだけど(笑)、でも今回は、もちろんレギュラーメンバーもすばらしいけど、新しく加わった2人――新米医師(髙橋海人)と島出身の看護師(生田絵梨花)が、またいいんだよ。ここで止まらず次に繋がっていく映画にしてくれているのが、最高だよな。本当に、ありがとうって気持ちになる。そんなこと、本人の前で言いたくないんだけどさ、本当にそう思いますね」

小林「泉谷さんがさっき、各役者がみんな生きてるっていったけどさ、僕以外の人の話なんです。みんな、コトー先生と診療所を支えてるんですよ。でも僕が演じる正一は、今回よく見ると、みんなの足手まといなんですよ!みんなの足を引っ張ってるの。ただオロオロしていてさ」

一同「(爆笑)」

小林「こう見えて泉谷さんが演じるシゲさんも、悪態ついても『頑張れ』とちゃんと投げ掛けているし、和田さんも縁の下の力持ちだし…。みんな精神的にもだし、声掛けをしたりして支えているわけ。唯一、俺だけなんだよ」

泉谷「そんなことないって」

柴咲「これ、みんなで映画を観ながら話したいよね(笑)」

大塚「絶対に盛り上がっちゃうね(笑)」

『Dr.コトー診療所』は公開中
『Dr.コトー診療所』は公開中[c]山田貴敏 [c]2022 映画 「Dr.コトー診療所」製作委員会


取材・文/折田千鶴子

※ 高橋海人の「高」ははしご高が正式表記

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