絶景のなかで魔法バトルと熱いドラマが!ファンタジーの醍醐味が詰まった「ウィロー」第7話をレビュー
ジョージ・ルーカスが原案と製作総指揮を務めた冒険ファンタジー映画『ウィロー』(88)の20年後の世界を描いたオリジナルシリーズ「ウィロー」が、ディズニープラスにて独占配信中。MOVIE WALKER PRESSでは、エンタメ感満点で描かれる本作の魅力をレビュー連載で徹底ガイド!今回は、最終回に向けていくつものピースがつながっていく第7話のレビューをお届けする。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
“砕けた海”をひた走る!シリーズ最高級の映像美を堪能
第7話「砕けた海の向こうへ」は、二つの物語が交差するようにして描かれていく。一つはウィロー(ワーウィック・デイヴィス)たちが延々と続く“砕けた海”を渡り、“不滅の都”を目指す姿。そしてもう一つは、闇の勢力に捕えられたエリク(デンプシー・ブリク)と謎の女性(ロザベル・ラウレンティ・セラーズ)との出会い。第1話で連れ去られて以降ほとんど出番がなかったエリクの様子が描かれるとなれば、旅の終わりが刻々と迫っていることを予感せずにいられない。
前回のクライマックスで溺れたキット(ルビー・クルス)を、魔法の力で救い出すエローラ(エリー・バンパー)。崩れゆくスケリン鉱山からなんとか抜け出したウィローたち6人の前に、今度は“地図が終わる場所”であり“不滅の都”へとつづく唯一の道である“砕けた海”が立ちはだかる。休みに入った小屋でゼブ(ジュリアン・グローヴァー)という老人からもてなしを受ける彼らだったが、そこへ突如現れる闇の使者。ウィローたちは逃げるようにして巨大なソリで“砕けた海”へと繰り出すことになる。
敵との激しい戦いの最中にあってもボーマン(アマール・チャーダ・パテル)は“カイメリアの胸当て”を使うことをためらい、一方でグレイドン(トニー・レヴォロリ)は見よう見まねで放った魔法を成功させる。そしてエローラは、敵に腕を掴まれてなにもできなかったことを悔やみ、自らウィローに訓練を願い出るのだ。
小屋を破壊して飛びだしていく俯瞰ショットから始まる、まったくもって果ての見えない海上でのバトルシーンに、訓練に励むエローラとウィロー、キットとジェイド(エリン・ケリーマン)のシルエットを浮かび上がらせる印象的な夕景。ここ数回のエピソードが廃墟と化した城のなかであったり鉱山の洞窟のなかであったりと、暗く閉塞底な場所が続いていただけに、その雄大な景色の解放感がよりいっそう際立つ。
なかでも、空一面に広がる星空が水面に反射してエローラを360度包み込むシーンの美しさは至高のもの。第1話で見られたオーロラのようなバリアーを超えていくエローラの姿に匹敵するか、それ以上。本作でもっとも美しいシーンになったのではないだろうか。そこで描かれるエローラとキットの和解もまた、その先のストーリーにしっかりとつながる重要なものとなる。星空と、素直になれずにいた者同士の対話。エモーショナルな瞬間を、幻想的なビジュアルで見せてくれることも、ファンタジー作品の醍醐味だ。