「スター・ウォーズ」に通じる父と子のドラマに、“緑と赤”のバトルシーン…エモさ満点の「ウィロー」最終話をレビュー!

コラム

「スター・ウォーズ」に通じる父と子のドラマに、“緑と赤”のバトルシーン…エモさ満点の「ウィロー」最終話をレビュー!

ジョージ・ルーカスが原案と製作総指揮を務めた冒険ファンタジー映画『ウィロー』(88)の20年後の世界を描いたオリジナルシリーズ「ウィロー」が、ディズニープラスにて独占配信中。MOVIE WALKER PRESSでは、エンタメ感満点で描かれる本作の魅力をレビュー連載で徹底ガイド。今回は、最終話となる第8話のレビューをお届けする。

※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

オビ=ワンとルークを彷彿とさせるシーンも…それぞれの心の旅にも決着がつく!

それぞれの心の旅に決着がついたと思われたが…(「ウィロー」)
それぞれの心の旅に決着がついたと思われたが…(「ウィロー」)[c] 2022 & TM Lucasfilm Ltd.

最終話となる第8話「ワームの子供たち」は、闇の勢力に囚われたエリク(デンプシー・ブリク)を救うため旅だったウィロー(ワーウィック・デイヴィス)たちの最後の戦いが描かれる。妖婆クローン(ロザベル・ラウレンティ・セラーズ)との最終決戦はもちろん、各キャラクターがそれぞれの心の旅にも決着をつける、ラストを飾るにふさわしいエピソードになった。

世界が滅ぶという、ウィローの見た悪夢が現実になるのか…その答えが最終話でわかる?
世界が滅ぶという、ウィローの見た悪夢が現実になるのか…その答えが最終話でわかる?[c] 2022 & TM Lucasfilm Ltd.

前回の最後で“砕けた海”の最果てに着いた旅の仲間たち。彼らはそこにあるのが“不滅の都”ではなく巨大な滝だと知って落胆したが、滝壺こそ“不滅の都”の入口だと確信したキット(ルビー・クルス)はエローラ(エリー・バンパー)を抱きかかえ奈落の底に果敢にダイブ!大胆不敵で予測不能な行動に、改めて彼女がマッドマーティガンの娘だったと思い知らされた。残されたジェイド(エリン・ケリーマン)たちは途方に暮れ、ウィローは故郷に帰ると言いだすなど決戦の前に不穏な空気が流れ出す暗たんたる幕開けだ。

美しい女性の姿をしたクローンだが、その正体は…(「ウィロー」)
美しい女性の姿をしたクローンだが、その正体は…(「ウィロー」)[c] 2022 & TM Lucasfilm Ltd.

キットの読みどおり“不滅の都”にたどり着いた2人は、クローンの手に落ちたエリクと再会する。囚われの身のはずなのに、沈着冷静なその態度に違和感を感じまくりで半分固まるキットとエローラが可愛い。スリルとユーモアの絶妙なブレンドが魅力の「ウィロー」らしさは、最終話でも健在だった。そんなエリクに誘われ、2人は“ワーム修道会”の神殿でクローンと対峙。彼女たちの目的が邪悪なワームを目覚めさせ新時代を作ることだと知らされる。エリク救出というミッションから、いっきに壮大な善と悪のドラマにスケールアップ。ファンタジーならではの世界観に圧倒されるひと幕だ。


妖婆クローンの魔力に引き寄せられたエローラが見た夢とは…(「ウィロー」)
妖婆クローンの魔力に引き寄せられたエローラが見た夢とは…(「ウィロー」)[c] 2022 & TM Lucasfilm Ltd.

クローンとの対決姿勢を露わにするキットとエローラに対し、妖婆は2人の弱さや欲望をくすぐりながら巧妙に心に忍び寄る。エリクの時と同様にじっくり相手を落とすその戦術は、絶対的な恐怖で相手をねじふせ支配したバヴモルダ(ジーン・マーシュ)にはないクローンの狡猾さをにじませる。あわや…のその時、キットの耳に聞こえてきたのが父マッドマーティガンの声!この世界とは“別の次元”にいる彼は、キットに対する自分の想いや願いを告げて娘をクローンの幻想から解き放つ。幼いころから憧れ目標にしてきた父との会話を通し、涙をこらえキットが使命を受け入れるシーンは本ドラマでも群を抜く胸アツ度。マッドマーティガンの「いつもお前と共にいる」というセリフを含め、父娘の姿が「スター・ウォーズ」のオビ=ワンとルークに重なった。

互いに心が通じ合ったキットとジェイド(「ウィロー」)
互いに心が通じ合ったキットとジェイド(「ウィロー」)[c] 2022 & TM Lucasfilm Ltd.

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