自称“歴女”のギャル芸人・エルフ荒川と時代劇初心者な相方・はるが大興奮!『レジェバタ』は歴史も恋愛もおもしろい
「『好きってそう、恋愛ってそうだよね。わかる!』と共感しました」(はる)
――印象に残っているシーンを挙げるなら?
荒川「やっぱりラストシーンかな。なにこれ、なにこれってなって…言葉で表現するのは難しいけれど、とにかく引き込まれました。なんか心が『うわー!』ってなる感じ!」
はる「私もラストは、驚きすぎてすっごい情けない『え?』という声が漏れてしまうほどの衝撃でした。ラスト以上に印象に残っているのは、信長と濃姫の心の描写です。ずっと強い印象の信長が、濃姫が離れていったあとにどんどんやつれていき、『そばにいてほしい』という言葉を言った瞬間に涙がブワーっと出ました。そこから濃姫が突き放す…というやり取りがあってからのお互いが素直になった瞬間は、私がグッと心をつかまれた部分でした。胸が苦しくなるのは好きだということを、伊藤英明さん演じる侍従(福富平太郎貞家)や中谷美紀さん演じる侍女(各務野)から教えられ、濃姫が自分のなかでその気持ちをすぐに理解できないところとか、『好きってそう、恋愛ってそうだよね。わかる!』と共感したシーンでもあります」
荒川「私は泣くよりも驚きが多かったかも。信長がどういう結末を迎えるのか、有名すぎる史実を知っているからこそ、今回はどんなふうに描かれるのか。冒頭から驚きの連続だったので、結末の描かれ方がずっと気になって、ずーっと口開きながら観入っていました。いままでの信長を描いた作品とは違って、信長と帰蝶さま(濃姫)の、ほんまに2人だけの物語を軸に話が進んでいきます。そこに歴史的な出来事や信長の有名なエピソードなどがちょくちょく入ってくる感じ。多分、2回目3回目と、何度も観返すことでいろいろな発見がある気がしています。私自身、何回観ることになるんやろ…。あ、信長と帰蝶さまのアクスタ(アクリルスタンド)とかあったら、チケットと一緒に撮影していっぱいインスタにアップしちゃいそうです。アクスタ、作ってもらえませんか?(笑)」
はる「めっちゃ映画館に足運んでしまいそうやな(笑)」
荒川「やばいことになると思います」
「濃姫の、自分の意見はしっかり言うところはかっこいいわぁ」(荒川)
――信長と濃姫、2人の物語が丁寧に描かれている本作ですが、濃姫はあの有名な信長の正室でありながら、記録があまり残っていません。お2人がこの映画から感じた濃姫の魅力を教えてください。
荒川「政略結婚で父親の斎藤道三から『嫁に行け!』と急に言われても、異論なしで行かなければならない。かなりエグい状況だけど、自分の意見はしっかり言うところはかっこいいわぁと思いました。信長と初めて顔を合わせて、彼から脚を揉めと命令されるじゃないですか。でも、長旅で疲れているから、むしろ揉んでもらいたいのはこっち、みたいなところを主張できるのはすごくかっこいいなって。本来なら、黙って言うことを聞くシーンだと思うんです。だって、相手はあの信長ですから」
はる「口だけならなんぼでも強がれるけれど、戦いのシーンでも『信長に助けられんでも私は行けます!』みたいな強さを見せるところ。ちゃんと実力が備わっているところはすごくかっこいいと思います。だけど、ほんまは怖さを感じているという女性らしい部分もある。そのバランスがすごく魅力的な人だと思います」
『レジェンド&バタフライ』公式サイトのWEBマガジン「レジェバタ公記」では、エルフの2人が「もしも戦国時代を生きるなら?」といったテーマで盛り上がり、信長の妻の座を巡って激論(?)を交わす様子も掲載。歴史作品ということで少し固いと思っている人もいるかもしれないが、2人が語るように、実は現代を生きる私たちが共感できる要素もたくさんある。信長と濃姫が戦国の動乱の中で行き着いた先とは?その行方を劇場に確かめに行ってほしい。
取材・文/タナカシノブ