北条司「キャッツ・アイ」原作40周年を超えて明かす、最終回の名セリフ秘話&続編を描かない理由

インタビュー

北条司「キャッツ・アイ」原作40周年を超えて明かす、最終回の名セリフ秘話&続編を描かない理由

泪、瞳、愛の美人三姉妹が怪盗として躍動する様子を描いた、北条司による人気漫画「キャッツ・アイ」。それぞれタイプの違う三姉妹をはじめとする魅力的なキャラクター、“怪盗の瞳&刑事の俊夫”による恋の行方も注目を集め、アニメ化も実現するなど1980年代に一世を風靡した。2022年には原作40周年を迎えた同作だが、このたびモンキー・パンチの名作とのコラボが実現した「ルパン三世 VS キャッツ・アイ」(1月27日よりPrime Videoで世界独占配信)がAmazon Originalのアニメとして登場。アニメ史を代表する泥棒たちが夢の共演を果たし、大いに楽しませてくれる。

いまなお忘れがたい作品として愛されている「キャッツ・アイ」だが、“感動的な最終回を迎えた漫画”として同作を思い出す人も多いはず。連載デビュー作にして大ヒットを生みだした原作者の北条を直撃し、「ルパン三世」とのタッグが叶った感慨や、最終回での「瞳ともう一度…もう一度恋ができる」という俊夫の名セリフに隠された秘話、続編を描かない理由まで語ってもらった。

「『ルパン三世』とのコラボなんて、恐れ多いなと思いました」

アニメ史を代表する泥棒たちが夢の共演を果たした「ルパン三世VSキャッツ・アイ」
アニメ史を代表する泥棒たちが夢の共演を果たした「ルパン三世VSキャッツ・アイ」[c]モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世 VS キャッツ・アイ製作委員会

「ルパン三世」のアニメ化50周年と、「キャッツ・アイ」の原作40周年を記念して制作された「ルパン三世VSキャッツ・アイ」。キャッツアイの父親が遺した3枚の絵をめぐって、ルパンとキャッツアイが泥棒対決を繰り広げるなか、絵に隠された秘密が明らかになっていくさまを描く。監督を、静野孔文瀬下寛之が務めた。

【写真を見る】名作が生まれたデスク、資料の詰まった本棚…北条司の貴重なアトリエショットを公開
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ルパンファミリーとキャッツアイが同じ画面に存在するという、ワクワク感満載の内容に仕上がった本作だが、企画が立ちあがった当初、北条は「恐れ多いなと思いました」と苦笑いしたそう。「『ルパン三世』は、いまだに現役バリバリです。『キャッツ・アイ』は連載が終了してだいぶ経ちますし、『ルパン三世』と『キャッツ・アイ』では知名度も圧倒的に違うんじゃないかなと思って。ただモンキー・パンチ先生の息子さんである加藤(州平)氏によると、以前モンキー・パンチ先生が『キャッツアイとルパンが対決したら、きっとおもしろい作品になるだろう』とお話しされていたそうなんです。ものすごくありがたいことだなと思いました」と、モンキー・パンチも待ち望んでいた企画の実現に喜びをかみ締める。

ルパンファミリーとキャッツアイが邂逅!ドラマチックな展開に注目だ
ルパンファミリーとキャッツアイが邂逅!ドラマチックな展開に注目だ[c]モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世 VS キャッツ・アイ製作委員会

劇中では、ルパンとキャッツアイの三女・愛が行動を共にし、父と娘のようなやり取りを見せる。北条は「これは僕の希望でもあったんです」と打ち明け、「もしルパンとコンビを組むのが泪だとしたら、(峰)不二子とかぶってしまう印象になってしまうかもしれないし、ちょっと生々しい雰囲気が出てしまうかも。瞳には俊夫という恋人がいますから、それもちょっと問題かなと(笑)。ルパンにとってまだ女性として見ることがない愛、愛にとっては“おじさん”に見えるルパンという組み合わせが、お互いに本音も言える、おもしろい関係になるだろうなと思いました。完成作を観ても、その2人のやり取りはとてもうまくいっていましたね」とにっこり。

ルパンと愛が特別な絆を育んでいく
ルパンと愛が特別な絆を育んでいく[c]モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世 VS キャッツ・アイ製作委員会


「ルパン三世」の銭形警部と、「キャッツ・アイ」の内海俊夫刑事が協力して捜査する場面も両作のファンにとっては心躍る瞬間で、北条も「最高でしたね!」と笑顔を弾けさせつつ「銭形警部が、内海俊夫に向かって『熱海!』と呼びかけるセリフがありました。脚本でそのシーンを見た時に、『悔しい!僕もこういうギャグをやりたかった!』と思いました」と銭形&俊夫コンビの掛け合いをたっぷりと楽しんだ様子。アクションや三姉妹の父親をめぐるドラマも本作の見どころとなり、北条は「1本の作品として、とてもおもしろいものになっていました」と満足気な表情を浮かべる。

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